西島秀俊「一線を超えた瞬間を感じて欲しい」 ロケ先ラオスの災害を気遣う言葉も

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 俳優の西島秀俊が8月2日、都内で行われたミステリースペシャル「満願」(NHK総合、8月14日~16日3夜連続 午後10:00~)の試写会後の記者会見に出席した。同番組は、作家・米澤穂信氏のベストセラーミステリー短編集『満願』中から3作品をドラマ化したもので、西島は第1夜放送の「万灯」の主演を務めている。

 「万灯」は、東南アジアでガス油田の開発に携わる商社マン・伊丹修平(西島秀俊)が、土地の買収をめぐり、殺人までをも犯してしまうという、人間の転落していく姿を描いた作品。
  同作について西島は「伊丹修平という男は、清濁併せのむタフな商社マンです。自分の仕事に忠実なあまり、超えてはいけない一線を超えてしまう。仕事に生きがいを持っている男が、なぜか魔がさしてしまう瞬間がある。そういう瞬間は誰しもがあると思うんですが、演じる側としては、『あ、この人いま一線を超えたな』と感じてもらえると、楽しんでいただけるのではないかと思います」と意気込みを語った。
 
 ロケは、6月1日~10日にかけてラオスで敢行。西島は、「とにかく暑いし、スコールが降ればたびたび撮影が中段するし、結局一日も休まず撮影しました」と海外ロケの苦労を明かしつつも、「ラオスの料理がすごく美味しかった。食事のシーンも出てきますけど、実際、ほんとにみんなよく食べてましたね」と笑顔で振り返り、「現場のスタッフの気力体力がとても充実していて、かなり過酷な撮影でしたけど全力で挑みました。1カット1カット、きっちり丁寧に撮影しましたし、それが作品に反映されていると思います」と作品への自信をのぞかせた。
 また、7月23日にラオス南部でダムが決壊する事故が発生したことについては、「一刻も早く復旧することを心から祈っています」と述べた。

 実は、もともと原作のファンだったという西島は、原作についても「ドラマ化された3本はもちろん、6本すべてがとても面白い小説でした。各話ごとに違った味わい、面白さがあって、ミステリーで史上初の三冠を取ったというのがよく分かります。その中でも私が出演した『万灯』は一番怖さを感じました。夏の日差しがまぶしい時期に、人間の闇に迫るドラマを、原作ともどもお楽しみください」とコメントを寄せている。
 
 3夜連続放送となるミステリースペシャル「満願」。安田顕主演の第2夜「夜警」は15日、高良健吾主演の第3夜「満願」は16日に、いずれも午後10時~放送される。

デイリー新潮編集部

2018年8月3月掲載

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