働く女性の反感も買って「イヴァンカ・トランプ」ブランドが廃業 “85%オフ”在庫処分も…

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むしろ嫌味だった? “完璧な妻+完璧な母”像

 東京・青山で内覧会が開催され、一時はサンエー・インターナショナルとの提携話も浮上したものの、最終的に日本への本格参入には至らなかったイヴァンカブランド。その位置づけを先の関氏に解説してもらうと、

「ブラウスシャツなどが150ドル前後、高くてもバッグが300ドルくらいですから、決してハイ・ブランドというわけではありません。私は着たことがありませんが、高級感はありませんね。コンセプトは“Women Who Work”。意味するところは“Working Women”と同じなのですが、あえてこういう言いまわしをすることで、働くことにプライドをもつ女性、というニュアンスが加わります。完璧な妻であり、完璧な母でもあり、プライベートも充実……というわけですが、そもそも、このイメージ像と価格帯がズレてるんです。そういう女性はイヴァンカなんて着ないで、プラダやグッチを着るでしょ、と」

“働く女性”をターゲットにしたそもそもの戦略のズレも、ブランド不振の理由であるという。

「子育てをしながら華やかなキャリアを重ね、そしてヴァカンスも楽しむ、という売り方が、働く女性たちの共感を得るどころか、嫌味ですらあったようです。現に、ニューヨークの広告代理店にブランドコンセプトの見直しを依頼した際には、“仕事に関する言葉や専門用語を使いすぎないように”と警告されたとか。これはイヴァンカ氏自身が著作の中で明かしています」

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