銀座に“廃墟”が… 脱税に5年求刑「川本源司郎」と「丸源ビル」の命運

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

 高級デパートやブランドショップが立ち並ぶ東京・銀座。ところが日本一の繁華街なのに、よく見ると、あちらこちらに、廃墟のようなビルが目立つ。川本源司郎氏(86)がオーナーの「丸源ビル」だ。その川本氏に懲役5年、罰金約3億円が求刑されたのは7月13日のことである。

「川本氏は、自分が経営するビル経営会社・東京商事が約10億6千万円の脱税をしたとして、5年前、法人税法違反容疑で逮捕・起訴されていたのです。ところが、本人は容疑を全否定。公判でも“ぜんぶデタラメです”と主張していました」(社会部記者)

 川本氏といえば、九州や銀座で80棟近い飲食ビルを経営し、全盛期は資産1千億円超の富豪として知られていた。映画製作にポンと大金を払うなど、金銭に無頓着なところもある一方、節税には異様なほど熱心だったと言う。

「また“変わり者”として知られていた川本氏は、後継者を作らず、自分一代でビル経営も終わりと言っていました。実際、数年前から、テナントを無理やり追い出すなどトラブルが続出。銀座のシンボルのようだった丸源ビルが次々と廃墟になっていったのです」(同)

 本社オフィスがあった「31丸源ビル」を訪ねてみると、B1のクラブと1階にあるアンティークショップを除いて、あとは真っ暗なガランドウ。薄暗いクラブの入り口には、彫刻像がずらりと放置され、異様な雰囲気だ。

「丸源ビル側は、勝手に解体工事を始めるなど嫌がらせをしてきましたが、店側も工事差し止めの仮処分申請などで対抗しています」(店側の関係者)

 そんなわけで、店子vs.川本氏のにらみ合いは今も続いているのだが、脱税事件の判決が言い渡されるのは11月20日。求刑通りの懲役だったら娑婆に戻ってこられるのは90歳を過ぎてからである。

週刊新潮 2018年7月26日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。