立ちはだかるコアストーン! 「西日本豪雨」復興までの遠い道のり
平成最悪の豪雨災害は、最大級の警報「大雨特別警報」が過去最多の計11府県に及んだ。相次ぐ災害を扱うニュースでは、「コアストーン」なる言葉が幾度となく登場。耳慣れないばかりか、最大級の厄介物だった。
東日本と九州を結ぶ物流の大動脈、JR山陽本線も寸断された。自動車産業をはじめとする日本経済は、大打撃を受けている。
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そのダメージとは異なり、実際に大きな打撃となって、住宅や建造物を直撃したのがコアストーンだ。とにかく大きい。重い。直径2メートルや3メートルはざらで5メートルを超すものもあって、重さは数トンを下らない。
まずは、土木工学や防災工学を専門とする中央大学理工学部都市環境学科の山田正教授に、この巨大岩について語ってもらう。
「西日本や瀬戸内海沿いには、花崗岩(かこうがん)が風化した、真砂土(まさど)という砂の土地が多くあります。花崗岩は地下のマグマが冷えて固まったもの。真砂土は粘り気がなくて固まりにくく、固い地盤の上に堆積することで、土石流が発生しやすいのが特徴です。大雨が降ると真砂土が重くなり、堆積した部分が流れる“表層崩壊”が起こるのです」
で、厄介なのが、
「花崗岩が風化せずに残った、つまり真砂土にならずに残った固い地盤は岩となります。このなかの大きい岩が、コアストーン。表層崩壊が起こって、樹木などと一緒にごろごろと転がるように流れたわけです」
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