高橋大輔、現役復帰の“スポットライト症候群” 羽生に敬意

スポーツ週刊新潮 2018年7月12日号掲載

  • 共有
  • ブックマーク

 バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔(32)が現役復帰を表明した。

 ただ、五輪や世界選手権を目指すわけではなく、1年限りの復帰。何がしたいのかよくわからないが、

「彼自身もわからないのではないでしょうか」

 とは元世界選手権銅メダリストで解説者の佐野稔氏。

「ソチ後の世界選手権を怪我で辞退してそのまま引退した高橋は、何かやり残したものがあったのでは? それが何かを突き止めたいというのが、復帰の動機ではないでしょうか。私も、ニュースキャスターをやっていたとき、“取材するよりされる方が楽しい”と思ったものです。彼の気持ちもわからなくはないですよ」

 いわゆる“スポットライト症候群”である。

 フィギュアの現役復帰といえば、トリノ五輪金のプルシェンコを連想するが、

「プルシェンコのブランクは2年。引退後、彼以上の選手が出てこないことに危機感を抱いたロシア協会に請われての復帰でした。そしてソチで見事、団体金に貢献した。今回の高橋の場合とは雰囲気が違います」

 羽生結弦(23)、宇野昌磨(20)という平昌五輪金、銀メダリストが双璧を成す今の日本では、誰も高橋に復帰しろなどとは言わない。

 ただ先頃、芸術性に秀でる高橋のような選手に有利なルール改定があった。

「無理して4回転を跳ぶより、確実な3回転を増やす方が得点できるようになったのです。でも、彼がそれを見計らって復帰したとは思えません。そもそも羽生の4回転は完成度も完璧で、改定はむしろ羽生に有利とも言われているんです」

 それを知ってか、高橋は会見で、

「全日本の表彰台はいまの段階では難しい」

 と述べ、羽生らに一定の敬意を表明している。

「高橋の復帰は、再び自分探しの旅に出た、と私は解釈しています」(佐野氏)

 道中お気をつけて。