生みの親には一銭も入らない「大迫半端ないって」騒動 肖像権侵害の可能性も

社会 週刊新潮 2018年7月5日号掲載

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 今年の流行語大賞にノミネート確実と噂される〈大迫半端ないって〉。ついこの間まで、どれ程の人がこの言葉を知っていただろう。猫も杓子も皆さまのNHKでさえ、天気予報で〈半端ない暑さ〉なんて言い始める始末なのだが、

「サッカーファンの間では、大迫勇也選手を指す言葉として知られていました」

 とは、あるベテランのサッカージャーナリストだ。

「日本のサポーターが、応援で掲げる旗の文句に使われ認知度を上げましたけどね。実は4年前から商標登録されていたんですよ」

 幾つかのネット通販サイトやアプリを覗けば、〈大迫半端ないって〉と書かれたTシャツがずらり。横断幕や観戦タオルなどといった応援グッズならまだしも、〈半端ないって〉と書かれた下着から、携帯電話用ケース、弁当箱といった身の回りの品々まで――様々な商品が販売されている。

 スポーツ紙では、“Tシャツを数千枚も売り上げた”なんて猛者まで紹介されていると聞けば、まさに先見の明あり。登録した人物は、さぞや「W杯特需」に小躍りしているに違いない。

 そのご本人、大阪府在住の会社員・塩崎裕也氏に話を聞いたところ、意外にもこんな答えが返ってきた。

「Tシャツを製造している会社は複数あるのに、ライセンス契約の話がこちらに来たことは一度もありません。僕は会社勤めのサラリーマンで、サイドビジネスとしてTシャツ販売をやっていたんです。たまたまネットで大迫選手に関する言葉を知って、面白いと思い2014年に特許庁へ登録を済ませているんですけど」

 しかも、今回のW杯では自ら作ったTシャツは、たった50枚しか売れていないと塩崎氏は続ける。

「4年前はブラジルでW杯があったので、200枚ほどTシャツを作って販売したのですが売れ残ってしまった。残りは家の寝間着に使うなどしていたのですが、今回のコロンビア戦で大迫選手が話題になったので、改めて仲間が在庫をネット通販に出したところ一気に完売。もっと売ろうと新たに製作を始めていたのです」

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