「批判されて強くなる」 “10点満点中2点”でもキング・カズが前を向けた思考法とは

スポーツ 2018年6月27日掲載

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 アシストもした、ゴールも決めた。それでもまだ本田圭佑選手に対して厳しい声を浴びせる人も世の中にはいるのだろう。

 が、そうした人たちであっても、彼の精神力の強さは認めないわけにはいかないだろう。W杯開幕前、彼に対して吹いた逆風は相当なものだった。普通の人間が一生かかっても浴びせられないような量の罵声、ブーイングがネットにはあふれていたのだ。

 本田選手に限らず、多くのプロスポーツ選手は、それこそ普通の人間ならば心が折れてしまうようなブーイングを浴びることは珍しくない。そうした時にどのような心の構えを持てばよいのか。

 キング・カズこと三浦知良選手のベストセラー『やめないよ』の中には、まさにそうしたテーマを扱った「批判されて強くなる」と題したコラムが収録されている。一部、抜粋して引用しよう。

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 批判されて強くなる

「(10点満点の)5.5点。低いなあ」。

 先日、同僚がサッカー専門誌の採点に嘆いていたので、僕は応じた。

「おれなんてブラジルで2点をつけられたよ」

 あれはデビューしたてのころ。

 だいたい最低評価でも4点台なのに、2点。そして採点に続く寸評が「彼は早く荷物をまとめて日本に帰るべきだ」。

 嫌味に近くて、次にプレーするのが怖くなったものね。でも、それを乗り越えたときは二回りほどレベルが上がっていた。ある段階で、批判も褒められることもすべて背負えるようになる。

 誰だってたたかれるのは嫌だ。でも批判を受けていたかいないかで、逆境のときに乗り越える強さが変わってくる。

 選手はミスを指摘されて「もうしない」と改めて意識する。

 批判から学べるか。悔しさを思い知り、もまれた選手は強い。(略)

 まあ、選手は結果を出せば何も言われず、出さなければ私生活まで悪いように言われるもの。それも肥やしにするしかない。

 誰も見てくれなくなったら僕らの商売は寂しいよ。サッカー以外で人の興味を引くぐらいでいい。

「また女の子と飯を食ってる。うらやましいけど文句も言いたいね」という風に。サッカーに詳しくない人々にも関心を持たれないと、サッカー界も盛り上がらない。
 経験から言えば、いいことしか言われない時期は『まだまだ』なんです。悪いことも言われて初めて一流に近づく。それを越えてこそ超一流じゃないかな。

 テレビで眺めて『日本代表、いまいちだね』というのは簡単。実際に6万人にみつめられるピッチで、代表として何度もプレーすれば、いかに難しいかが分かる。

 言うよりも言われる方がいいよ。

 僕は何かと言われていたいね、ずっと。

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 キング・カズにせよ本田選手にせよ、批判をエネルギーにできる精神の持ち主なのだろう。『やめないよ』にはこんな名言もある。

「真の一流はつぶれない。強いハートや自分を信じることで乗り越える。この世界、技術はそれほど差がなかったりもするんだ。一流や名門との差は、そっちの差かもしれないね」

デイリー新潮編集部