フジ「バイキング」好調の要因は坂上忍の“キレ芸”と小籔の“ビビり芸”

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「及第点の視聴率を維持」

 この時間帯は、日本テレビ系列「ヒルナンデス!」(月~金:午前11時55分~午後1時55分)とTBS系列「ひるおび!」(月~金:午前10時25分~午後1時55分)が激しい視聴率争いを繰り広げているのは、ご存知の通りだ。

 例えば、今年4月2日、スポニチアネックス電子版は「TBS『ひるおび!』昼の激戦区制す 年度平均視聴率7年連続トップ 自己最高6.3%」と報じた。

 しかしながら、先に見たように「バイキング」も3月には8.1%を記録している。彼我の差は決して遠くないはずなのだが、キー局の関係者は少し辛辣だ。

「番組スタート時はバラエティ路線で2%台をうろうろするという体たらくでした。それが16年4月からの改変でニュースを討論するスタイルに変えて、手応えを掴んだようです。17年ごろから視聴率が上昇するようになり、現在は4~5%と安定しています。今年3月の8.1%は話題になりましたが、とはいえ『ひるおび!』や『ヒルナンデス!』の視聴率はコンスタントに高い率を出しています。『バイキング』の視聴率急上昇も一段落した格好で、今は及第点の数字を維持しているに過ぎません」

 突き放した分析が印象的だが、それだけ敵視しているとも言える。視聴率が2%の時なら、お世辞でエールを送るだけの余裕があるはずだ。

番組好調の秘密は“打ち合わせ”

 ならば番組関係者は、自分たちのポジションをどう判断しているのだろうか。さるフジテレビの関係者が、絶対匿名を条件に重い口を開いてくれた。

「私たちは番組が低迷期を脱し、いよいよ『ヒルナンデス!』や『ひるおび!』を追う体制になったと判断しています。坂上忍さん(51)がキーパーソンであることは論を俟ちませんが、実は、より大きな役割を担っているのが小籔千豊さん(44)なんです。確かに坂上さんのキレ芸は番組の華です。しかし、意外に知られていませんが、それを支えているのが、本気で焦っている小籔さんのリアクションなんです」

 ニュースサイトの世界では、例えば、

「フジテレビ『バイキング』で坂上忍と小籔千豊が言い合い 坂上の態度にパワハラと批判」(リアルライブ4月12日付)

といった報道を目にすることは、決して珍しくない。つまりバイキングの好調は、多分に炎上が加勢しているところがあるわけだが、さらにフジ関係者の証言を続けよう。

「坂上さんは、実はコメンテーター陣とは打ち合わせをしないんです。ご本人はプロデューサーや構成作家とだけ意見交換をする。ゲスト出演者は別の席で打ち合わせを行い、そして本番に突入します。つまり坂上さんと小籔さんは、ガチで向かい合っている。慣れ合いはゼロです。だからこそ、あれほどの迫力が出るわけです」

田原総一郎vs大島渚と類似!?

 50代以上の、特に男性のテレビファンなら、今でも鮮明な記憶をお持ちだろうが、テレビ朝日系列「朝まで生テレビ」(毎月最終金曜の翌土曜:午前1時25分~午前4時25分)で、映画監督の故・大島渚(1932~2013)の“キレ芸”も見事だった。

 番組のテンションが落ちる後半に差し掛かると、司会の田原総一朗(84)を含む出演者に怒声を浴びせるなどして、場の緊張感を維持させた。当時、「アシスタント・ディレクター(AD)が合図を送ると、大島監督が怒り出す」という冗談があったほどだ。

 司会と出演者という関係は逆になっているが、坂上氏と小籔氏の関係も同じところがあるはずだ。そこが面白い。

「正午のテレビ番組は主婦層向けがセオリー中のセオリーで、『ヒルナンデス!』が視聴率トップだった時代もあります。しかし今、潮目は変わっています。視聴率トップは『ひるおび!』ですから、この時間帯はワイドショーの需要が強いんです。『バイキング』も“敵”を日テレからTBSに代えて視聴率を上昇させました。となると余計に、『ひるおび!』のような安定感のある進行では勝てません。ワイドショーや情報番組はニュースが基本ですから、番組で扱う題材は同じです。坂上さんと小籔さんのバトルが『ひるおび!』の安定感を凌駕するかどうか、視聴者の皆さんも注目してくれると嬉しいですね」(同・フジ関係者)

週刊新潮WEB取材班

2018年6月25日掲載

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