大塚家具「久美子社長」が泣いた日、幹部社員たちもビックリ仰天

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下がり続ける株価

 今年(2018年)2月には2017年12月期決算が過去最高72億5900万円もの大赤字となることが発表された。3月26日の株主総会では「回復の兆し」を強調して、5月11日の18年12月第1四半期の決算報告では、9四半期ぶりの黒字転換!とぶち上げた大塚家具。だが、株価は下がる一方で、とうとう600円台を割って、6月1日には561円、5日には535円、15日には一時502円まで下がり、18日にはついに500円を割った。

「創業者で久美子社長の父である勝久前社長(75)の頃にも526円をつけたこともありましたが、財務状況は全くマシでした。今年は845円で幕を開けましたが、以来最安値を更新し続け、ついに上場以来の最安値という状態です。9四半期ぶりの黒字化といっても、結局は不動産の売却益で、本業は悪化の一方なんです」(業界紙記者)

 ちなみに久美子社長が勝久氏と骨肉の争いを演じていた15年3月には、大塚家具の株価は2488円を記録。久美子社長が実権を握り、翌16年は1515円、17年は1068円でスタートしていた。

 また、今年に入って店舗での月次売り上げが、前年同月比を上回ったことはない。1月(83.1%)、2月(92.3%)、3月(83.7%)、4月(87.4%)、5月(90.0%)という具合である。72億円の赤字を出した時よりも深刻である。

「なんだか“一人リーマンショック状態”とでも言うのか……どうしてここまで悪化するのか不思議なくらいです。売上というのは、お客から会社への評価であるわけです。それが減り続けているというのは、経営方針が見放されてしまったとしか言いようがない。ただし、株価に関しては、これまでどんなに経営が悪化しても700~800円台を推移していました。それが、とうとう500円台を割るところまできてしまいました。何か新たな局面に突入してしまったように思えます。機関投資家にも見限られてしまったのかもしれません」(同・業界紙記者)

 創業49年だが、50周年(プレ企画に名称変更)セールを実施中の大塚家具。それでも前年同月比で売り上げが落ちるというのは、確かに異常だ。

「5月27日には創業の地である埼玉県春日部市のショールームも閉店してしまいましたが、閉店セールもひっそりしたもので、最後の打ち上げ花火にもならなかったようです。結局、3月末時点で大塚家具のキャッシュは10億円余りに減り、毎月4億~5億円の赤字を出し続けているわけですから、この先どうなることやら」(同・業界紙記者)

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