大学受験は「情報戦を勝ち抜くゲーム」である 狭き門になった「早慶」「MARCH」を突破する方法

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情報戦を勝ち抜け

 とはいっても、十分な学力を得る前に、間近に受験が迫ってしまった場合、どうしたらいいか。

 大学通信常務取締役の安田賢治氏も富沢部長も「併願数を増やす」ことを勧める。そのうえで富沢部長は、

「志望大学の定員管理を把握することも重要です」

 と指摘する。

「具体的には定員超過率を確認します。たとえば、前年の入試で定員を大幅に超えてしまった大学や学部は、締め付けを厳しくすると予想でき、前年よりは合格ラインが上がると考える必要があります」

 また、併願する際に、こんな選び方もある。

「郊外にキャンパスがある学部を選ぶのです。早稲田の所沢キャンパス、法政の多摩キャンパス、青山学院の相模原キャンパスなどは、都市部のキャンパスにくらべると人気は若干落ち、意外と穴場です」(安田氏)

 受験日も考慮したい。

「2月の初頭から受験しはじめれば、早稲田を受ける下旬ごろには、実力も伸びます。第一志望を受ける前にいくつか受験しておいたほうがいい」(石原氏)

 では、親や祖父母にできることはあるだろうか。安田氏がアドバイスする。

「余分に入学金を用意しておくこと。各大学は上位合格者の歩留まりが読めないため、繰り上げ合格を増やすことで合格者数をコントロールしています。このため、繰り上げ合格の通知はきたが、すでに別の大学への入学手続きを済ましている、ということも多い。私大の入学金は20万円ほどですが、二重の負担を避けるために“先に手続きした大学に行ってくれ”と言うしかない親もいるのです」

 和田氏は受験を「情報戦を勝ち抜くゲーム」と評するが、それは親にとっても同じである。

週刊新潮 2018年6月7日号掲載

特集「『地方創生』が狭き門にした『早慶』『MARCH』を突破する法」より

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