米朝会談でも解決しない! 最前線が考える「日本の核武装」 陸海空「幹部自衛官」緊急座談会

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陸海空「幹部自衛官」緊急座談会――半島非核化、日本の核武装を語る

 急転直下、融和策に活路を見出そうとする北朝鮮。しかし、北が過去2度、世界を騙したことを思い出すべきだろう。2度あることは3度ある。半島非核化、日本の核武装について、陸海空の幹部自衛官が緊急に集い論じ合った。(記事内容は「週刊新潮」5月24日号に掲載時のものです)

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空自 核実験を除き沈黙してきた北朝鮮が一気に動きましたね。史上初の米朝首脳会談の日程まで決まりましたが、核開発に関して北には過去2回、世界を裏切った前科があります。会談後、仮に半島の非核化を宣言したとしても、北が大人しく核を手放す保証はまったくない。

海自 ミサイル実験が相次いだ去年と状況がガラリと変わりましたね。アメリカのペンス(副大統領)が平昌五輪の開会式に出向いた際、「北との対話」の可能性を匂わせたことがきっかけとされています。それはともかく、空自さんが言ったように、北の核の脅威が払拭されたわけでは断じてない。

陸自 編集部から提示されたテーマは「日本の核武装を考える」ですか。我々としては些か議論しづらい問題ではありますが……。ともあれ、本論と大いにリンクする北の核から話を進めることにしましょう。日本に落下する恐れのあるミサイルについて、「破壊措置命令」を常時発令することになったのが2016年8月です。当時は稲田(朋美・防衛)大臣でしたね。それ以来、空自が所管する迎撃ミサイル「ペトリオット」部隊は実戦配備されたまま。その空自部隊を守るために陸自の部隊も出動しますから、現場には大きな負担となっています。

海自 海でも、迎撃のため虎の子のイージス艦が日本海に張りつけにされており、艦隊の編成や運用にかなり影響しています。本来、イージス艦は他の護衛艦に対する攻撃を防ぐための「艦隊防空艦」であり、弾道ミサイル迎撃だけが任務ではありません。そこに(新たなミサイル防衛システムである)イージス・アショアの導入が去年末に閣議決定された。実現すればもちろん、現場の負担は軽減されます。

空自 しかし、冷徹に現実を眺めれば、巨額の予算と人員をつぎ込んでミサイルに備えても、確実に迎撃できるとは限りません。ミサイルで攻撃する側と、それを迎え撃つ側とでは明らかに攻撃側が有利。こちらは音速以上のスピードで落下する弾頭を数分以内に撃ち落さなくてはならない。しかも失敗は許されない……。

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