なぜインド人観光客は「東京・お台場」に建つ「自由の女神」が大好きなのか?

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「パチモン」であるのは事実?

 東京・お台場に「自由の女神」が建っている。日本人の場合、「そもそも知らない」という人も決して少なくないはずだ。だがインド人の訪日観光客は――100%は大げさだとしても――大多数が必ず訪れる、都内有数の観光スポットなのだという。

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 本家本元は、もちろんアメリカ・ニューヨークに建つ。アメリカ独立100周年を記念し、フランスが贈呈した。高さは33.86メートルで重さは225トン。完成は1886年。日本は明治19年にあたり、伊藤博文が日本初の総理大臣を務めていた。

 返礼としてパリに住むアメリカ人が1889年、同じ自由の女神をセーヌ川に建造した。フランス革命100周年を記念したのだという。ただし、こちらは高さ11.5メートル、重さは14トンとずっと小さい。

 そして我が国の「お台場の女神像」だが、アメリカではなくフランス版と縁がある。初登場は1998年。「日本におけるフランス年」事業の一環として、セーヌ川に建つ女神像のレプリカが設置された。約10日間の期間限定だったが、好評を博したようだ。その後、正式な複製許可を得て、2000年に再登場した。台座からの高さは12.25メートル、重さは約9トンだ。

 3体の成り立ちを見てみると、率直に言って、お台場の女神に「二番煎じ」や「パクリ」のイメージがまとわりつくのは事実だろう。

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