最年少七段「藤井聡太」でも手詰まりの「高校中退」と「節税」

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 早熟ゆえの、ということであろう。デビューして1年半経ってなお、快進撃が止まらない藤井聡太(15)。またまたの史上最年少記録である「七段昇進」も達成したが……そのウラでは、2つの難題への対処も迫られているのである。

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 思えば昨年の今頃、当時の藤井「四段」は棋界の新記録となる29連勝の真っ只中だった。7月に連勝は止まったものの、その後も勢いは衰え知らず。特に2018年が明けてからは快調で、実に20勝2敗の数字を残している。1〜2月には朝日杯で、佐藤名人、羽生竜王を連破し、棋戦初優勝を飾った。その勝ちっぷりの結果として、四段だった段位は五段、六段、そしていま七段へとかけ上がったワケなのだ。

 もちろんこんな超速の出世は将棋界では空前絶後。

 それゆえか、藤井七段サイドが、いま直面しているかに見える、2つの厄介な「詰将棋」……。

 一つ目は、カネの管理で、何しろ、藤井七段の収入がスゴイのだ。

 そもそも、棋士の収入というのは、タイトル獲得、棋戦優勝などの「賞金」と、勝ち負けにかかわらず、各対局毎に得られる「対局料」の合計である。

 賞金はともかく、対局料は公開されていないため、その正確な実態はわからないものの、

「藤井君は、今年の年収が2000万円に達すると思います」

 と言うのは、元プロ棋士で、『伝説の序章─天才棋士 藤井聡太』の著者・田丸昇九段である。

「おそらく昨年の収入は、700万円程度だったと思う。しかし、今年は朝日杯で優勝し、この賞金750万円がまるまる加わります。さらに、順位戦のクラスがC級2組から1組へ上がった。これによって、順位戦の年俸は3割はアップします。その他の棋戦でもよく勝っていますからね。このペースなら、2000万円を超えるのは間違いない」

 この数字、昨年に照らせば、1位の渡辺明・棋王の約7500万円には及ばないが、棋界で堂々トップ10に入る額となるのだ。

 藤井七段の父は、住宅メーカーのサラリーマンというから、おそらく、15歳にして一家の稼ぎ頭となることであろう。そこで、

「課題となってくるのが、節税なんです」

 と、さる将棋連盟の関係者が言う。

「羽生さんも若い頃、同じ問題に直面していました。そこで採ったのが、対局のための着物を買うこと。10代後半から羽生さんはやたら着物を買うようになった。もちろんタイトル戦に出る機会が増えたということもありますが、これを経費で落とし、所得を圧縮する意味もあったんです」

 これまでは一貫してスーツ姿で対局に臨んでいる七段。しかし、近々、我々は初々しい着物姿を目にすることになるかもしれないのだ。

 他方、

「むしろ活躍の一番のネックとなるのは、高校との両立だと思います」

 とは、将棋ライターの松本博文氏である。

 この4月、藤井七段が名古屋大教育学部附属中学校から高校へと内部進学したのは、周知の通り。が、

「藤井さんは忙しすぎるんです」(同)

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