最年少七段「藤井聡太」でも手詰まりの「高校中退」と「節税」

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お年玉を遠慮

 昨年度1年間、藤井七段の対局数は73局と全棋士で最も多かった。うち、休みを除いた、「学校のある日」の対局日数は39。年間それだけは確実に中学校を休んでいたことになる。しかも、

「対局は、東京か大阪がほとんど。藤井さんは東京の場合、前日に1泊、翌日遅くまで対局してもう1泊し、朝、愛知に戻る『2泊3日』が主。大阪は日帰りですが、夜遅くなると泊まることもあるそうです」(同)

 すると欠席数は更に増える。高校では、それ以上休むと単位が取れない「留年ライン」は、おおむね3分の1とか。学校の登校日は200日前後。つまり、60日を超えて欠席すると、危険信号が灯る。補習やレポートなどの救済措置はあるものの、昨年度の“実績”からすると、藤井七段は微妙なラインとなるのだ。

「何よりそれだけ休めば学業に追いつけなくなるし、将棋と学校で息つく暇もなくなります」(同)

 先の連盟関係者も、

「もともと、藤井君は進学せず、将棋に専念することを希望していた。しかし、お母さんや周囲の“高校だけは”“成績が落ちたらやめてもいい”との説得に負け、しぶしぶ進学を決めた経緯があります。いざとなれば、本人から“やめる”と言い出しかねない」

 というから、誠に手詰まりというワケなのだ。

「まだ始まって間もないですが、高校での悩みは聞いていませんね」

 と言うのは、師匠・杉本昌隆七段である。

「いずれにせよ、決断を後悔してはいないと思います。また、お金はお母さんが管理していて、本人は興味がないとか。確かに稼いでいるのは事実で、毎年、僕は弟子にお年玉をあげているのですが、彼は今年は“いやいや”と遠慮する。私が無理やり押し付けてようやく渡しました」

 七段に昇進が決まったとなれば、今度はやはり史上最年少でのタイトル獲得に関心は移るけれど、

「絶対に勝てない相手はいない」(同)

 となれば、ますます収入は増え、多忙さは増し……。悩みは増えるが、これもまた、天才の証明、か。さて1年後、彼は果たして何段となっているのだろうか。

週刊新潮 2018年5月24日号掲載

特集「最年少七段に王手 『藤井聡太』でも手詰まりの『高校中退』と『節税』」より

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