山口達也 警察を敵に回した「被害者調書」の中身

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強姦とわいせつの間

 このあとの4月20日、警視庁は強制わいせつ容疑で山口を書類送検。これには「厳重処分」という意見書が付されていた。聞き慣れぬ文言だが、元東京地検検事で弁護士の郷原信郎氏によると、

「これは、“起訴されて当然だ”と警察が判断しているという意味です。したがって、少なくとも“キスをする”“顔を舐める”という、これまで報じられている内容以上に悪質な行為があったと判断していたことになります」

 刑法176条は、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」場合、強制わいせつ罪にあたると規定している。

「一般論で言えば……」

 と郷原氏は前置きしたうえで、こう続ける。

「“胸を触る”、“スカートの中に手を入れる”などがあった場合に、“わいせつな行為”が認められる傾向にあります。あるいは、わいせつな行為を働く意思で被害者を押し倒していたならば、その事実をもって『暴行』に着手していると判断できるので、やはり強制わいせつ罪に該当します」

 その一方で、

「押し倒すという客観的な行為だけを捉えると、強制わいせつ罪の他に、強制性交等罪の未遂(法改正前は強姦未遂)も問題になります。その違いは目的が、わいせつなのか強姦なのかということ。“押し倒した”という話が本当ならば、警察は“わいせつ行為を働く意思はあったが、強姦の意思まではなかった”と判断したということでしょう」

 23日、被害者側との和解が成立。翌24日に被害届が取り下げられたのだった。ちなみに、被害者側は金銭の受け取りを拒否している。

(下)へつづく

週刊新潮 2018年5月17日号掲載

特集「クビなら目に浮かぶ『山口達也』第二の人生 警察を敵に回した『被害者調書』」より

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