「麻原彰晃をキリストにしてはならない」 元オウム大幹部・上祐史浩インタビュー

社会週刊新潮 2018年5月3・10日号掲載

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「麻原をキリストにしてはならない」上祐史浩インタビュー(下)

 麻原彰晃のXデーを前に、元オウム大幹部・上祐史浩氏(55)がインタビューに応じた。上祐氏は、オウムの後継団体「アレフ」の代表を務めた後に麻原ファミリーと対立、分派し「ひかりの輪」を設立。同団体は「麻原脱却」を掲げている。死刑についても、上祐氏は「執行を躊躇してはならない」と訴えるのだ。

 ***

 上祐氏が続ける。

「執行が延びれば、弊害はあまりに大きい。アレフはどれだけ勢いづくのか。

 例えばアレフは、2011〜12年、逃亡犯だった平田信や高橋克也、菊地直子が出てきた時に、『万歳』をしたんです。逮捕によって、オウム裁判が再び始まり、麻原の執行は一旦停止されました。それを彼らは、自分たちが帰依していたから麻原は延命できたのだと受け取ったのです。

 また、麻原は獄中で、『自分は不死の身体を得る』と主張しています。つまり、アレフの信者から見れば、執行が止まったことは、麻原の超能力が証明されたことに他なりません。

『死刑が執行されれば、麻原は神格化されませんか』

 最近、一般の人によくそう聞かれます。しかし、それはオウムを知らない人の考え違いでしょう。そもそも、麻原はアレフでは既に神格化されています。中では、『(麻原の)姿を見た』『今この道場の中にいる』などと妄想のようなことが語られている。

 これに加えて、もし彼の執行が延びればどうなるでしょうか。延びれば延びるだけ、彼の予言が成就したことになる。イエス・キリストですらユダに裏切られて磔(はりつけ)にされた。しかし、麻原はそのイエスをも超えた、『不死の超救世主』として解釈されてしまうのです。帰依に布教に、これほどアレフを勢いづかせることはないはずです」

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