〈南北首脳会談〉黒電話? 奥歯? エリンギ? 「金正恩」の特異なヘアスタイルには狙いがあった

国際 韓国・北朝鮮

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 4月27日、北朝鮮の指導者が史上初めて韓国側に入り、南北首脳会談が開かれた。韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長は、軍事境界線上で初対面した。会談冒頭、「平和の繁栄と南北関係の新たな歴史の出発点」と語った金正恩委員長。5月にはトランプ米大統領との首脳会談を控えるているが、謎多きかの国のトップゆえその狙いはまだ読めない。そして、さらに不可解なのがあの髪型である。

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 その名が「覇気ヘア」ということを、ご存じのムキもあるかもしれない。日本で知られるようになったのは3年ほど前からで、当時「朝鮮日報」は〈北朝鮮、若者に金正恩・李雪主夫妻のヘアスタイルを強要〉との見出しで、以下のように報じている。

〈とりわけ若い男性には、朝鮮労働党の金正恩(キムジョンウン)第1書記(当時)のようないわゆる「覇気ヘア」と呼ばれるヘアスタイルが強要されているという。横と後ろは非常に短く切り落とし、前と上だけを残すヘアスタイルだ〉(15年11月21日)

 実際、3月5日に行われた韓国特使団との会談には、かなりの覇気が感じられた。頭頂部はぴっちりとまとめられ、(写真1)、側頭部はキレっキレだ(写真2)。

「他国から使者を迎えるのですから、センスはともかくとして、身なりをきちんとするのは当然の姿勢です」

 というのは、「デイリーNKジャパン」編集長の高英起氏である。

「初めは祖父である金日成に似せる狙いもあったのでしょうが、今では完全に金正恩のスタイル。昔は剃ったあとが青かったですが、いまでは側頭部など完全に肌色です。それだけあの髪型を続けている証拠ですね。きっと、お付きの美容師が毎朝整えているのでしょう」

 同じ“覇気ヘア”でも、その時々によって微妙な差がある点には注目だ。側頭部にボリュームを持たせる時もあれば(写真3)、全体的にエアリーな時もある(写真4、5)。

 思わずみのもんたも「カツラじゃないよね?」と突っ込んでしまったあのヘアスタイル(3月10日放送のAbemaTV「みのもんたのよるバズ!」より)、巷では「黒電話」と呼ばれているが、

「北朝鮮マニアの間では“エリンギ”と揶揄されています。あとは“奥歯”。北朝鮮での金正恩の呼称“最高尊厳”をもじった“最奥尊厳”なんて、韓国ではジョークにされています」

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