妹が大ケガしたから? 再来年の出所をフイにした「平尾脱獄囚」

社会週刊新潮 2018年4月26日号掲載

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 向島(むかいしま)は、瀬戸内海に浮かぶ緑豊かな島である。

 広島と四国愛媛との間に、飛び石のように連なる芸予諸島。その最も北に位置し、対岸の尾道とはわずか200メートルほどの距離にある。

 面積は22平方キロと、東京都で言えば品川区ほどの大きさだが、人口は20分の1の2万人余。

 静かで風光明媚なこの島が、「検問が厳しくて、いちいち車を停めてトランクを開けられる。そのせいで、普段30分で着く職場まで4時間もかかりました……」(地元住民)との嘆きの声が響くほど、無粋な「喧噪地帯」となったのは、周知の通り。

 この島に、脱獄囚・平尾龍磨(たつま)(27)が潜伏。警察は多い日には1000名以上を投入し、捜索を続けたのだ。

「平尾が服役していたのは、愛媛の今治市にある、松山刑務所の大井造船作業場です」

 と語るのは、取材に当たった社会部記者。

「4月8日、そこを逃走した平尾は、近くの乗用車を盗み、今治から広島の尾道までを繋ぐ『しまなみ海道』を北上しています。そして尾道手前の向島で車を捨て、姿をくらませた。その後、島内で平尾の手による窃盗が相次いだことから、警察は彼がこの島にいると見て、捜査を続けました」

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