遮断要請海賊版サイト「漫画村」生みの親の正体

国内 社会 週刊新潮 2018年4月26日号掲載

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〈世にむき出しの悪というものはない。必ず大義名分を表に立てている〉

『ヴェニスの商人』の主人公の友人・パサーニオはこう語るが、出版業界を襲撃する悪の大義名分はいかに。

 政府は今月13日、漫画などを無断掲載する海賊版サイト「漫画村」ら3サイトの閲覧の遮断を民間会社に要請(現在は閉鎖されている)。これに先立ちグーグル社は、「漫画村」と検索しても同サイトが出てこないような排除措置を施した。

「これまでも様々な海賊版サイトが生まれては閉鎖されてきました。が、漫画村による今回の被害は過去最大規模でしたね」

 と、漫画誌編集者が嘆く。

「2017年9月から今年2月の半年間で、著作権者側の被害額は4000億円以上という数字も。我々や作家が海賊版サイトを利用しないよう読者に訴えると、皮肉にも漫画村の存在を広める結果になるため、有効な対策を打ち出せなかった」

 こうなると顔の見えない犯人の素性と目的が気になるところだが、

「日本人のアフィリエイターだと言われています」

 と、ITジャーナリストの三上洋氏。

「ネットサイトの管理をして、アフィリエイトと呼ばれる広告収入で稼いでいるある男が漫画村の運営者だと突き止める人が出てきたのです。発売日当日に海賊版が掲載される即時性に鑑みると、その男を中心とした企業体の犯行でしょう。広告収入だけで月5000万円ほどと推測される収益が目的ですね」

 なぜこのような狼藉者が野放しになっていたのか。

「厄介だったのは、自らの手で違法アップロードはしていないと漫画村側が主張している点でした」

 とは、永田町関係者。

「既にネット上に拡がっている違法データを集めて整理して、それを海外サーバーに保管しているだけ。“閲覧は違法じゃないし、コンテンツは無料の時代”という意見まで振りかざしていました。この強気な態度を受け、政府は19年の通常国会までに、この手法を使うサイト運営者を刑事罰の対象とする関連法案を提出することに決めました」

 大義名分を語る悪が法の下で裁かれる日は近い。