「西部邁」私淑の2人 自殺を幇助するまでの顛末記
人の噂も七十五日とはいかなかった。評論家の西部邁氏が亡くなった日から数えて74日後の4月5日、自殺幇助の疑いで2人が逮捕されたのだ。入水を手伝った人間がいるはず――。世間にくすぶる噂が忘れ去られることはなかったのである。
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絶筆の書となった『保守の遺言』のあとがきで、西部氏はこう述べている。
〈人は一人で生まれ一人で死ぬこと以外には何も残すことがないといった虚無の感が否応もなく押し寄せる〉
だが、事切れる瞬間は別にしても、一人ではなかった。警視庁詰め記者は言う。
「4月5日に逮捕されたのは、西部さんに私淑していた青山忠司と窪田哲学です。ともに容疑を認めていて、“警察にバレないよう下見を入念にやった”と供述。窪田は“先生の死生観を尊重し、力になりたかった”とも話しています」
手伝った具体的な内容は、
「入水前日に青山がレンタカーを借りて窪田と合流し、新宿で娘さんと別れた西部さんを拾って多摩川まで一緒に行っています。遺体にはハーネスが着けられ、そこから延びたロープが川べりの樹木に結びつけられていた。この一連の過程で、複数の防犯カメラに姿が映っていたのです。警察は関係者を総ざらいする捜査のなかで、早い段階で2人に注目していました」
役割分担としては、青山が現場までの運転とハーネスの用意、窪田がロープ購入と現場でのハーネス装着の手助けと西部氏の遺書の作成である。
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