13名の命を奪った「地下鉄サリン事件」実行犯たちの今

国内 社会 週刊新潮 2018年4月12日号掲載

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“人生が嫌に…”

 法廷でも、多くのサリン袋を引き受けた理由について、他の幹部から、「みんなが嫌がるのを引き受けてくれるのが林だった」と証言されているほど。「マシーン」は、実は人間臭い顔を持っていたのかもしれない。

 事件後は1年9カ月間の逃亡生活を送ったが、逮捕の後の公判では、罪を認めた。2008年、死刑確定。

 林はその後も、一審二審の弁護人とは面会を続けていた。その弁護士(故人)は4年前、本誌(「週刊新潮」)の取材にこう答えている。

「確定後も淡々と罪を受け止め、精神的に安定した世界にいるようでしたが、昨年の暑中見舞いに“人生が嫌になった”“生きていくことが辛い”とあってギョッとしました。その後、面会した時は元気そうで一安心でしたが、そうした言葉が出てくるということは、彼も獄中でさまざまな思いを抱えているということでしょう」

 林は、先の移送で仙台拘置支所へ。「その日」を、縁も所縁もない地で待つことになった。

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