「巨人」オープン戦絶好調で今年は優勝できるの? 重鎮OBが大胆予測

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話題になるのは「大型補強」ばかり

 もちろん大型補強がなかったわけではない。1965年には国鉄スワローズから金田正一(84)が、76年には日ハムから張本勲(77)を獲得している。

「やっぱり、巨人らしく迎えるんですね。最初は誰も2人に近づこうとしませんでした。そして2人がどう練習するか、じっと見ている。それが巨人なんです。例えば金田なら、キャンプでランニングを徹底してやっているのが分かるわけです。『あ、こういう練習をしているのなら一緒にプレーできるな』と判断して、次第に交流が生まれていくんです」

 先述した開幕戦の先発メンバーで、「☆」のついた生え抜きは5人。しかし広岡氏は数の問題ではなく、この5人を中心に、どれだけ激しい切磋琢磨が生まれるかが重要だと指摘する。

「清原和博(50)が不振に陥った時、長嶋に『2軍に落としてジャイアンツらしさを叩き込んだらどうか』とアドバイスしたことがあったんです。すると長嶋は『三顧の礼で迎えた相手ですから、それはできません』と答えてね、巨人の伝統が崩れたのは、あのあたりからでしょう。ゲレーロとマギーが打撃の中核というチーム設計は、巨人が編み出した“勝利の方程式”とあまりにも違うのは明らかです。毎年、大型補強しか話題にならない。巨人が巨人らしさを失って、強い巨人たりえるはずがない、と私は思っています」

 取材が終わると、広岡氏は「できるだけ厳しいトーンで書いてください」と取材記者に依頼した。OBとして、文字通りの“愛の鞭”というわけだ。ファンにとって広岡氏の懸念は杞憂で終わるのが理想的だが、果たして――。

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週刊新潮WEB取材班

2018年3月30日掲載

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