「巨人」オープン戦絶好調で今年は優勝できるの? 重鎮OBが大胆予測

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巨人が伝統的に持つ「優勝の方程式」

 だが「スポーツ紙などの論調は、少し楽観的すぎます」と警鐘を鳴らすのは、野球評論家の広岡達朗氏(86)だ。野球ファンで知らない人は少数派だと思うが、現役時代は巨人で活躍。監督としてはヤクルトと西武を日本一に導き、“名将”“知将”と評された。

「ご存じの通り、巨人は常に勝つことが求められています。ファンにとっては勝って当たり前ですから、セ・リーグを制覇してもフロントでさえ褒めない。昔の正力松太郎オーナー(1885〜1969)なんて徹底していて、日本一に輝いて、やっとねぎらってもらえるかどうかという具合でした。勝利への厳しいプレッシャーから、巨人は勝つためのノウハウを長い時間をかけて確立してきました。ですので、巨人が今年のペナントを制するかどうかは、現在のチームがノウハウに合致しているかを見ればいいんです」

 広岡氏の指摘するノウハウは極めてシンプルだ。「巨人生え抜きの選手を、厳しい環境で切磋琢磨させていく」ことに尽きるのだという。

「巨人というチームの伝統は、冷たさにあります。私はヤクルトや西武で選手を厳しく指導しましたが、巨人はほったらかします。監督もコーチも何も教えません。『自分で考えて、這い上がってこい』というスタイルです。周囲にはライバルが山ほどいます。生え抜きという連帯感もあれば、だからこそ敵愾心を燃やす。巨人の選手は自ら厳しい競争に身をさらすことで、プロとしての技量を伸ばすだけでなく、ファンやマスコミ、フロントからのプレッシャーに負けない、強靱な精神力も蓄えていくんです。それこそが常勝・巨人の秘密であり、いつの時代でも有効な方法論なんです」

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