森友改ざん自殺職員 遺書で強調された“色塗り部分”

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 特にはかりごとを巡らせたわけではないが、図らずも政局を動かすことになった。近畿財務局の男性職員が兵庫県神戸市内の自宅マンションで自殺したのは、去る3月7日のことである。遺書には“色塗り”された部分があり、その文言を強調したかったのだという。

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 社会部記者によると、

「この職員の死をきっかけに、別の事実も明るみに出ました。財務省理財局の職員が今年1月、東京都世田谷区内の職員寮で自殺していたことです。もっとも、こちらは人間関係などの悩みが原因だったとされていますが……」

 近財職員の死から8日後の15日には、NHKが19時からの全国ニュースで遺書の内容を報じた。具体的には、

〈決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ上司に書き直させられた〉〈勝手にやったのではなく財務省からの指示があった〉〈このままでは自分1人の責任にされてしまう、冷たい〉

 などの文言が並んでいたというのだ。

 さる政府関係者が明かす。

「その遺書はパソコンで作成されたもので、A4用紙で6枚。本人が強調したい文言や上司の実名部分には、赤色や青色の文字が使われていました。うっかりすると目がチカチカするほどに……。直属の上司に対する抗議のほか、書き換えが行なわれた当時、理財局のトップだった佐川に対しても、かなり激しい言葉であげつらう記述があったといいます」

 差し当たって、遺書そのものは遺された妻の手元にあるとされている。

「遺書のコピーは、兵庫県警本部長から警察庁の刑事局長に送付されていると聞いています。当然、安倍総理や菅官房長官も内容を把握しています」

 と、永田町関係者。

「遺書は見ていません。佐川さんて上司の方が、証人喚問に引っ張り出されるっていうけど、偉くなったらほんま、信用できんですね。ええ加減な答弁して」

 と諦念したように話すのは他ならぬ職員の実父。

「最後に会ったのは昨年の正月。わざわざ、こっちまで迎えに来てくれて、車で神戸まで連れて行ってくれて。親孝行で、ほんまに感心な子じゃった。どう言うんか、ほんまもう、生きる望みがなくなったです」

 遺書の中身が明らかになるのは、本件が刑事事件になった場合である。

週刊新潮 2018年3月29日号掲載

特集「地獄の門が開いた 『森友改ざん』の『アベゲート』」より

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