長澤まさみ「コンフィデンスマンJP」放送開始日の謎 春ドラマ6作品を解説

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 虫も政治も蠢きだして、もうすぐ春。そこで一足早く、春ドラマをコラムニストの林操氏に、見所、期待度、幻滅感……を聞いてみた。

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 予告編さえロクに見られない時期の予想になるので、お話しできるのは批評ではなく、占いや霊言の類になってしまうかもしれませんが……。まず、今期の連ドラの全体を眺めてみると、深夜モノを除けばシリーズモノが少なめです。それだけに新作に力が入っているのかと思いきや、どうしたわけかデジャヴ感の漂う作品も多い。もうひとつ、新しくはない原作を使うドラマが目立つのも妙で、のっけから申し訳ないですけど、総じて地味なんですよ、この春の連ドラは。それでも見たいドラマはありますけどね!

 ――と林氏。今回は月曜~水曜の6作品。まずは注目の「月9」から。

「コンフィデンスマンJP」(フジテレビ系:月曜夜9時~)

 悪徳富豪たちから大金をだまし取る詐欺師たちの話。脚本は「リーガル・ハイ」シリーズ(12~14年)などの古沢良太(44)で、コメディーを謳っています。それだけに過去の「東京ラブストーリー」(91年)や「101回目のプロポーズ」(同前)、「ひとつ屋根の下」シリーズ(93年・97年)、「HERO」シリーズ(01~15年)といった、いわゆる「月9らしいドラマ」とは違う、「月9の枠」を拡げるような作品になるのでしょう。

 コメディー色が強くなるため、脇に小日向文世(64)を持ってきている点は安心できます。ただ、「天才的な知能」を持つという役柄の長澤まさみ(30)と小心者役の東出昌大(30)、この主演の2人の演技は大丈夫なのか不安です。不思議なのはフジが事前の番組宣伝で、出演者としてこの3人しか推していないこと。これまでの「月9」なら、もっとズラッと助演級までの役者を揃えてみせて、「ホラ! こんなに豪華な配役ですよ」と囃し立てたはずです。

 さらに妙なことに、放映開始が第2月曜の4月9日と早い。フジに限らず、最近はドラマの視聴率が伸びないことから、新シーズンに入っても第1週、第2週はバラエティー系の特番で数字(視聴率)を稼いだ後、ようやく連ドラを始めるケースが多いでしょ? 「月9」でも、視聴率のよかった去年7月期の「コード・ブルー」(第3シーズン)でさえ、第3週スタートでした。

 ところが「コンフィデンスマンJP」は4月期の第2週から始まります。これをフジのドラマへの自信と見るべきか、それとも連ドラのスタート前に視聴率を上げ底しておくための特番にさえ自信がないことの表れと見るべきか――。

 ワタシ個人としては、初回は絶対に見ます。リアリティーは薄めの演劇めいたドラマになるでしょうから、傑作か駄作かは第1話でわかるはず。翌週以降も見続けたいと思わせてもらえるコメディーになることを期待しています。

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