長澤まさみ「コンフィデンスマンJP」放送開始日の謎 春ドラマ6作品を解説

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「正義のセ」(日本テレビ系・水曜夜10時~)

 おお、見えてます、見えてます。どんなドラマになるか、スタート前から見えてます。

 原作が池井戸潤(54)の「花咲舞が黙ってない」シリーズ(14~15年)で、脚本が松田裕子、主演が松田脚色の「東京タラレバ娘」(17年)の吉高由里子(29)。「花咲」も「タラレバ」も――こう略すとカニの話みたいですが――同じ日テレの「水曜ドラマ」で、同じように数字も評判もよかった。

 さらに言えば、原作が阿川佐和子(64)で、その阿川は池井戸が原作の「陸王」(TBS系/17年)に女優として出演していましたから、池井戸→松田→吉高→阿川→池井戸、つまり「花咲」→「タラレバ」→「正義」→「陸王」→「花咲」という連想ループが完結。阿川の小説は若い女性が主人公の検事モノだと知っていても、既視感はかなり強烈です。

 TBS系の「日曜劇場」でやる池井戸ドラマが胃にもたれるという層にとっても、日テレ系の「正義のセ」は一服の清涼剤でしょうから、数字は取れそう。18年1月期の「anone」が視聴率無視の高踏文芸路線をあそこまで潔く貫けたのは、後に続くこの作品で「水曜ドラマ」枠の平均視聴率が持ち直すと計算していたからではないか。そう邪推したくなるほどです。

「未解決の女 警視庁文書捜査官」(テレ朝・木曜夜9時~)

 2期続いた「相棒」シリーズ(00年~)がお休みに入る4月期、その穴を埋める「テレ朝の推理モノ」であってほしいと、個人的には願っている新作です。それなのに、未解決事件に取り組む文書捜査官という設定が、人情刑事モノの「おみやさん」(02~12年)っぽいうえに、“女バディ”となる主演コンビの設定が「波留(26)=肉体派」「鈴木京香(49)=頭脳派」という具合に外し気味。

 なので、ちょっと心配しています。今は亡き「土ワイ(土曜ワイド劇場)」みたいな、ミステリーとしてもドラマとしても薄い、ただ刑事が主人公というだけの呑気な作品になりゃしないかと。

 脚本は「不機嫌なジーン」(フジ系/05年)や「あさが来た」(NHK総合/15年度)、それに「眩~北斎の娘~」(同前/17年)の大森美香(46)ですから、この心配は勝手な杞憂に終わるかもしれませんし、そうあってほしいのですが、あれ、大森サンってミステリーや刑事モノ、書いたことありましたっけ? 肉体派だ、頭脳派だ、というキャラクターの色付けが、そもそも大森作品とは縁遠いような。

 そういう意味で、これも第1話が気になる連ドラです。その肝心の初回の放映日がまだ「4月」としか発表されていない点も気になるし、麻見和史の『警視庁文書捜査官』シリーズが原作のようなのに、番組サイトではまだ明示されていない点も気になる……[いずれも3月11日時点]。

――月9「コンフィデンスマンJP」の第1話のゲストには「東京ラブ・シネマ」(03年)以来、15年ぶり「月9」出演となる江口洋介(50)となることがようやく発表された。豪華ゲストの後出し方式で行くようだ。ちなみに第2話にはウッチャンナンチャンの内村光良(53)だそうで、コメディーというよりコントに!?

週刊新潮WEB取材班

2018年3月20日掲載

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