パスタ、ラーメン、ホットドッグ…“大衆食堂”化する「ミスタードーナツ」の苦境

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「ミスド売上高低迷」の報道

 こんな品揃えになった理由は明確だ。身も蓋もない言い方をすれば、ドーナツが売れていないのだ。

 朝日新聞が17年11月1日に報じた「ミスド低迷、新メニューなど打開狙う」の記事は、冒頭から「ダスキン傘下のドーナツチェーン『ミスタードーナツ』の業績が振るわない」と断じた。確かに業績は「17年9月中間決算では、ミスドが大半を占めるフード部門の売上高は183億円で、前年比9.6%減った」とある。

 ミスタードーナツは、業績の右肩下がりに苦しんでいるのだ。なぜ売上高が減少しているのか。それに答えるのが読売新聞の「『100円セール』廃止 不発 ミスド売上高低迷」(17年11月1日)だ。少し引用させていただこう。

《ドーナツチェーン「ミスタードーナツ」の売上高が、毎月開催してきた「100円セール」を廃止した影響で落ち込んでいる。今後は、客席のある「イートイン」の店舗を拡大するなどして朝食や昼食の需要を取り込みたい考えだ。

 ミスドは約20年前から毎月不定期にドーナツなどをほぼ100円で販売する「100円セール」を導入していたが、期間外に訪れた客から不満が相次ぎ、昨年11月に廃止した。代わって「ポン・デ・リング」など35種類の定番商品を10~30円値下げしたが、客離れが進んだ》

 そしてミスドの選択したのが「ドーナツの売上減少分を、他の商品で補填する」という販売戦略なのだ。確かに税込み108円のオールドファッションが不振でも、734円のカルボナーラが飛ぶように売れれば、理論上は今の不振を跳ね返せる。単純計算で客単価は7倍近いのだ。

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