【今夜最終回】井浦新の回想シーンを彩る「米津玄師」の名曲 「アンナチュラル」第9話

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「逃げるは恥だが役に立つ」(2016)で知られる野木亜紀子が手がける法医学ミステリー「アンナチュラル」。物語の構成の巧みさもさることながら、最終回を目前に、怒濤の伏線回収、先の読めないスピーディな展開で多くのファンを惹き付けている。

 物語は、架空の機関「不自然死究明研究所(UDIラボ)」が舞台。法医解剖医・三澄ミコト(石原さとみ)、臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)、所長の神倉保夫(松重豊)ら、死因究明専門のスペシャリストたちが活躍する。8年前に恋人を殺され、その解剖をおこなった過去を持つ中堂系(井浦新)、バイトの医学生、久部六郎(窪田正孝)ら魅力的な俳優陣が揃う。

 第9話は、中堂の恋人が殺害された8年前の事件の手掛りがついに現れるという急展開を見せた。第8話で描かれた雑居ビルの火事の事件。その隣の空き家でスーツケースの中に入れられた女性の遺体が発見されたのだ。女性の遺体の口腔内には、これまでの連続殺人の被害者とおぼしき女性らと同じ、「赤い金魚」の痕があった……。ミコトは中堂の力になるため「犯人を今度こそ見つけましょう」と力強く言い、女性の解剖に臨む。

「赤い金魚」の痕は、動物用のおもちゃのボールが猿ぐつわの代わりに口の中に押し込まれたことにあると主張するUDIラボメンバーであるが、各被害者の死因や共通点が少なく、自殺と処理されて事件性が低いとされたものもあり、連続殺人として扱うことはできないと西武蔵野署の刑事・毛利(大倉孝二)は言う。そんな中、警察庁に赴き、刑事局長に、本件は連続殺人であるというUDIラボの考えを働きかけるという神倉だったが、そこで彼が目にしたのは週刊ジャーナルが報じるUDIラボの不正献金疑惑の記事だった。刑事局長によって握りつぶされ、表に出ることはなくなったが、UDIラボメンバーが不利な状況に置かれたことは間違いない。

 そして過去の週刊ジャーナルの記事に、外部の人間が知り得ない情報が載っていることに神倉は気づいた。内部の人間が情報を漏洩させているのではないか……? 時を同じくして、宍戸からの密かな情報提供をもとに、空き家で殺害された女性の死因が別のところにあるのではないかと言い出した久部であったが「どうしてそんなこと思ったの?」とミコトに問われても、自分が週刊ジャーナルのスパイであったことを告白することはできなかった。UDIラボで働くうちに久部はおのれの真摯な正義感を目覚めさせたが、当初の気軽なスパイアルバイトの過去を仲間たちに打ち明けることはできない。これがいずれ大きな破綻に繋がる予感に満ちており、胸が苦しい。

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