“「    」のピンク映画”? 広告を塗り潰す大新聞の“表現の不自由”

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「全国紙の対応を見たい」

 興味深いのは、新聞社によって判断が分かれたことである。昭和天皇の4文字と写真を黒塗りにしたのは、先の4紙に加え、西日本新聞、静岡新聞、京都新聞、四国新聞など。一方、一切の修整なしで広告を掲載したのは、産経新聞、東京新聞、中日新聞、河北新報、神戸新聞、福島民報、北陸中日新聞、新潟日報、南日本新聞などだった。安倍政権や原発についての主張が真逆の産経新聞と東京新聞が仲良く「掲載組」に入ったのは、注目に値する事実とはいえまいか。ちなみに、本誌発売翌日に広告が掲載される地方紙もあり、その“タイムラグ”を利用して判断を変えたケースも。東奥日報、大分合同新聞、北國新聞、熊本日日新聞は発売前日にはオーケーだったものの、最終的にはNGと判断。愛媛新聞と山陽新聞は、「全国紙の対応を見たい」とした上で、結局、黒塗りにした。

 まずは、黒塗りにした新聞社に見解を聞いてみると、

「出稿された広告原稿を弊社の広告掲載基準に照らして判断し、掲載しました」(朝日新聞社広報部)

「〈表現の自由〉を尊重しつつ、弊社の〈毎日新聞広告掲載基準〉に則って審査をし、広告主に改稿(広告原稿の変更)の要請を行いました」(毎日新聞社)

 一方、“修整なし”だった側にも聞くと、

「個別の広告に関することにはお答えしておりません」(産経新聞社広報部)

 一体、各新聞社では、どのように広告の審査が行われているのか。

(下)へつづく

週刊新潮 2018年3月15日号掲載

特集「公開延期の『昭和天皇』曰く付き映画に異聞! 本誌広告を黒く塗り潰した大新聞の『表現の不自由』」より

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