「西郷どん」成功の鍵は泉ピン子 北川景子の“姑”に

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 薩摩を発ち、藩主・島津斉彬(なりあきら)(渡辺謙)らと共に江戸入りを果した吉之助。北川景子演じる篤姫の、将軍家への輿入れ準備も進み、新たな展開を迎えるNHK大河ドラマ『西郷どん』。

 主役はもちろん「西郷」役の鈴木亮平だが、大河の魅力は物語の展開毎に追加される豪華な脇役陣である。

 先月も新たなキャストが発表され、一際注目を集めたのが、70歳ベテランの泉ピン子だ。一回りも若い出演陣に囲まれ、「私は江戸城のドン」と絶口調だった。

 ピン子さんの役どころは、又吉直樹演じる13代将軍・家定の生母。先代将軍・家慶(いえよし)に側室として仕え、主(あるじ)亡き後は落飾し本寿院と号した。つまり篤姫の姑である。 

 大河ドラマの出演は、1986年の『いのち』以来32年ぶり。今回は脚本・中園ミホさんたっての要望に応えてのことだ。

「ピン子さんの姑役は、『西郷どん』が成功するかどうか、大きな命運を握るといっていいでしょう」

 とは、作家の麻生千晶さん。

「篤姫といえば、10年前に宮﨑あおいさんが演じた役をどうしてもイメージしてしまいます。でも今回の北川さんは少しおきゃんで可憐なお姫様。新たな篤姫像をうまく表現しています。主役にも劣らぬ存在感を出しているんです。ただこの先、将軍家に輿入れし、過酷な運命が待ち受けている。1年の長丁場で中だるみが生じかねないところ。そこにいかにも小意地が悪そうなピン子さんが登場する。視聴者は2人の関係から目が離せなくなるわけです。NHKは商売上手ですよ」

 そういえば、2014年の朝のテレビ小説『マッサン』ではヒロインをいたぶる“鬼姑”を好演したピン子さん、あまりのリアルさに視聴者からは賛否交々(こもごも)、反響が殺到。それが高視聴率に結び付いた。

「鬼姑となるか、篤姫と共感し合う仲となるか、中園さん次第。たとえ憎まれ役でも彼女の語りはどこか説得力があるんですよね」(同)

 14%台が続く視聴率も、鬼姑の登場で“ピン”と跳ねあがるかも。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

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