福山雅治マンハント「×」で、染谷将太KU-KAIは「△」 日中合作映画の厳しい現実

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アメリカに次ぐ映画市場となった中国

 福山雅治(49)と染谷将太(25)の“一騎打ち”は、染谷に軍配――?

 2月24日、映画「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」(東宝/KADOKAWA)が公開された。監督は「さらば、わが愛/覇王別姫」(日本公開1994年)などの傑作で知られるチェン・カイコー(65)、主演は染谷将太。総製作費150億ともされる日中合作映画だ。

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 多くの関係者が興行成績を注視していたに違いないが、26日に発表された興行通信社のランキングでは初登場第2位だった。ちなみに1位はハリウッドのミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」(FOX)。ヒュー・ジャックマン(49)主演で、2週連続トップという人気作だ。映画ジャーナリストの大高宏雄氏が解説する。

「『グレイテスト・ショーマン』の強さが印象的ですが、『KU-KAI』も手堅く観客を集めています。15億円突破は確実で、20億円台が見えてきました。しかし、これほどの話題作は30億円台が期待されます。製作サイドにとっては手放しで喜ぶことはできなかったとしても、安堵はできるという数字だと思います」

 日本側はKADOKAWAが出資、角川歴彦会長(74)が製作総指揮の1人として名を連ねている。原作は夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』(角川文庫/徳間文庫)だ。日本側の主な共演者は阿部寛(53)、松坂慶子(65)、火野正平(68)という面々。

 一方の中国では日本に先駆けて17年12月から公開されたが、こちらは記録的ヒットとなっている。今年1月には興収約91億円を突破したと報じられた。

 また「KU-KAI」は約277億円を投じ、東京ドーム8個分と言われるオープンセットを建設したことも話題を集めた。投資を映画の興収だけで回収できるはずもなく、恒常的な撮影拠点とし、テーマパーク的な営業も開始したという。

 要するに“映画村”というわけだが、映画のヒットで観光客も相当に訪れているとの報道もある。派生ビジネスも好調のようだ。

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