新宿ゴールデン街の“名物ママ”逝去 花の木・広田和子さん

社会週刊新潮 2018年2月1日号掲載

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 享年、78――。

 中上健次、野坂昭如らが愛し、足しげく通った新宿ゴールデン街の文壇バー「花の木」の名物ママ、広田和子さんが1月11日、亡くなった。

「お亡くなりになる2日前に伺ったんですけど、お元気そうでしたのに……」

 とは、ママと長年親交のあった、演劇プロデューサーの角川清子さん。

「久しぶりに行ったものだから、長居してしまった。ママは聞き上手で、その日も、焼酎を飲みながら、私の話をずっと聞いてくれました」

 次男の小先文三さん(52)が続ける。

「その翌日も、0時まで店をやって、いつもどおり、閉店してから自宅に戻り、布団で寝ていたようです」

 ところが、

「翌日、訪問の約束をしていたヘルパーさんから“何度チャイムを鳴らしても出てこない”と連絡があり、母の部屋を確認したところ、布団の中で冷たくなっていました」(同)

 検視の結果、朝方に動脈瘤破裂を起こしていたことがわかった。

「苦しまずに逝ったのではないかということで、そこはよかったのかと」(同)

 オープンは1973年。

「父(作家の故・佐木隆三氏)と離婚して2年後でしたね。昼夜逆転の母とは生活がすれ違い、私は、祖父母に育てられました」(同)

 それでも、

「母は頻繁にお客さんを呼んでホームパーティーを開いてましたし、高円寺阿波おどりに出場する連も結成。常連のお客さんたちと、私も含め、まるで家族のように付き合っていましたね」(同)

 通夜には大勢の弔問客がひっきりなしに訪れ、阿波おどりも披露された。

「お店は閉じますが、最期に賑やかに送り出されて、母も喜んでいるのでは」(同)

 ひとつの歴史が終わった。