元顧客も怒る「はれのひ」の裏切り 社員の引き抜き、近所に競合店…

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裏切り

 ところが、契約解除から半年ほど経つと、呉服店の目と鼻の先の距離に「はれのひ」の八王子店が出店した。

「顧客でなくなったからとはいえ、すぐ近くに競合する店を出すのは裏切り以外の何ものでもない。いまにすれば、うちの店のコンサルタントをしながら、八王子エリアのマーケティング調査でもしていたのではないかと疑っています。それよりもひどいのは、うちの社員を2人、『はれのひ』に引き抜いていたことです。しかも、1人は八王子店のマネジャーを任されていたというから呆れてしまいました」(同)

 成人式の大騒動後、引き抜かれた元社員の1人に、電話を入れてみたという。

「彼女は、電話口で“裏切るようなことをして申し訳ありませんでした”と泣きじゃくっていました。あらためて、事情を聞くと、給料は昨年8月から一部しか支払われておらず、取引先への支払いも滞って商品が納入されないなか、従業員らはなんとか成人式だけは乗り切りたいと考えていたと。そのため、自腹で和装の小物などを揃え、準備をしていたのに、成人式前日、女性専務が来て、“明日は、営業できない”と通告された。肝心の篠崎さんとは、もっと前から連絡が取れなくなっていたみたいです」(同)

 出店攻勢を重ねた「はれのひ」の経営状態は、ずっと火の車。16年9月には6億円以上の負債を抱え、約3億8000万円の債務超過に陥っていたという。

 遂には、約30人の従業員への給料も支払えなくなった篠崎社長はいつから、“トンズラ”を画策するようになったのか。

(下)へつづく

週刊新潮 2018年1月25日号掲載

特集「道連れは『20代美人妻』と『0歳娘』 探しものは振袖だった『はれのひ』社長の『井上陽水』」より

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