ノンノモデル兼プロ雀士 岡田紗佳が語る「1人4役麻雀」

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 富士には月見草、脚線美を誇るモデルにはピンヒールがよく似合う。だが、彼女の場合、「草鞋(わらじ)」もしっくりくる。女性ファッション誌「non-no」の専属モデルにしてプロ雀士でもある岡田紗佳(さやか)さん(23)が、二足の草鞋生活を語る。

 身長170センチ、股下85センチ。見事な八頭身の岡田さんは、

「美容のことなら」

 ではなく、

「麻雀のことなら、いくらでも話しますよ」

 こう等身大の自分を語り始めた。

 日本人の父親と中国人の母親のハーフである彼女は、

「『中国語を勉強してほしい』という母の考えから、6歳の頃、上海の祖母の家にひとりで預けられました。その祖母の家が雀荘だったんです。お客さんが打つのを後ろから見ていたりするうちに自然と麻雀を覚えました」

 雀士になるべくしてなったとも言える岡田さんは、小学校卒業と同時に日本に帰国。その後、しばらく「家業」とでも言うべき麻雀からは遠ざかっていたが、

「20歳の頃、『non-no』のメイクさんや編集の方を相手に麻雀を再開して、テレビの麻雀番組にも出演させてもらうようになったんです。それから日本プロ麻雀連盟の『女流勉強会』に通い、昨年の春、プロテストに合格しました」

 プロ1年生である彼女はまだ初段に過ぎないが、テレビ対局で勝つなどして注目を浴び、今では女性誌に限らず、写真週刊誌のグラビアを飾り、またバラエティ番組にも出演するなど、「魅せる雀士」の地位を確立しつつある。

「モデルと麻雀の仕事の割合は、7対3くらいでしょうか。でも、やっぱり定期的に打たないと腕がなまってしまうので、週に2、3回、雀荘に通って『フリー』(居合わせた客と雀卓を囲むこと)で打っています。東京ガールズコレクションでランウェイを歩いた後、その足で雀荘に向かったこともありましたね」

 モデル業界と麻雀界を、股下85センチの長い脚で股にかける岡田さんだが、彼女の練習方法は二刀流の「上」を行っていた。

「正直に言って、時間が足りないなと思う時はあります。ですから、雀荘に行けない時は、自宅で『1人4役』をやることもあります。私ひとりで4人分のプレイをするんです。もちろん手牌は全て見えているわけですが、分かっていないという設定で、4人のプレイヤーになりきるんです」

「プロらしい練習法」

 麻雀研究家の梶本琢程(たくのり)氏が解説するには、

「1人4役の練習は、60代、70代のプロ雀士がよくやっていたもので、若い女性が実践しているとは驚きです。今は簡単に、映像で自分の対局をじっくりと検証できる時代ですからね。一方、岡田さんがやっている1人4役は、4人分の手を瞬時に考えなければならないので、頭の中でのスピーディな情報処理が求められます。プロらしい、実戦向きの練習法と言えるでしょう」

 今どきのモデルながら「古風」に麻雀に打ち込む岡田さん。無論、「モデル魂」も捨ててはおらず、

「麻雀はずっと同じ姿勢を続けますから、痛くなってしまうくらい足がむくむんです。むくみ防止のために、対局中は着圧ソックスが欠かせません」(岡田さん)

 二足の草鞋の秘訣は、一足のソックスにあり。

週刊新潮 2018年1月18日号掲載

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