慶大生の父親殺人事件 「有名漫才師」の孫が容疑者、息子が被害者――数奇な家庭

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コロムビア・ライトの息子

《慶應義塾大学法学部法律学科にて、昭和・平成期の民法学者人見康子名誉教授を師事し、親族・相続を研究。卒業後は(社)マスコミ世論研究所に勤務。衆議院議員上田哲の秘書として中小・零細企業支援、町の民と官の問題解決から相続問題まで、「法の究極に在るもの」を実践・探求》

 議員秘書を辞めてから不動産業に携わったようだ。過去の実績として《ゴルフ場開発案件の環境アセスメント業務》や《相続不動産の問題解決》などを挙げ、《対象不動産が持つ最大ポテンシャルを引き出す適正利用の提案には定評がある》と自画自賛している。

 この多可三さんの父親は、人気の高かった漫才コンビ「コロムビア・トップ・ライト」の故・ライト(本名・鳥屋二郎)さん(1927〜2010)だ。

 東京を代表する漫才コンビ。しかも相方の故・トップ(本名・下村泰)さん(1922〜2004)は、70年代から90年代にかけて参議員議員だった。そんなライトさんが大倉高商(現・東京経済大学)を中退していたという事実は、それほど知られていない。戦前の教育環境を考えれば高学歴だと言える。

 息子である多可三さんが慶応塾高から慶大法学部。ライトさんから見れば「上の孫」の智成容疑者は中学から慶応付属校に通い、慶大経済学部に入学。「下の孫」の弟も慶応塾高に進んだという。

 ライトさんから一貫して、鳥屋家は成績が優秀だった。息子と孫が揃って慶応というのは相当なものだ。多可三さんも晴れがましかったに違いない。だが、多可三さんの知人は、「暴力的な同級生」という印象が強いと明かす。

「私が知る高校時代の多可三くんは、端的に言えば乱暴な男でした。同級生の頭をヘッドロックしたり、あちこちでケンカをしていたという記憶があります。自分の父親が漫才師だったことに強烈なコンプレックスがあったようで、コロムビア・ライトさんのことをからかわれると、見境なく暴力を振るっていました」

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