「ひふみん」に前歯がないワケ “義歯を入れたら調子が狂った”の真相

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 2017年のテレビ出演本数は146本以上で、4社のCMに起用され、紅白歌合戦のゲスト審査員にも抜擢された。この一年で瞬く間に人気者となった“ひふみん”こと加藤一二三・九段(78)だが、気になることが1つある。前歯がほとんどないのはなぜなの?

 対局中に脳を酷使することで、糖分補給を理由におやつを食べる棋士は少なくない。ベテラン棋士の解説では、

「甘い物を食べる機会が多いので、虫歯になる危険性が大きい。しかも、厳しい対局では無意識に歯を食いしばり奥歯がもろくなる。そこで弟子たちには、歯のケアを怠らないように指導しています」

 1954年に当時史上最年少の14歳7カ月でプロ棋士になった“ひふみん”は、デビューから4年連続で昇級し、18歳でトップクラスのA級に上り詰める偉業を成し遂げていた。そこで付いた異名が“神武以来(じんむこのかた)の天才”。その後、名人位にも就いた超一流棋士で、歯のケアを怠るはずもないが……。観戦記者によれば、

「前歯がなくなったのは、20年ほど前でしょうか。加藤先生は、昔から服装などに無頓着。前歯があった時も、煙草を吸わないのに茶色く変色していたので、仲間内では“歯を磨いていないのでは”なんて冗談も飛び交ったほどです」

 むろん、“ひふみん”は朝晩しっかり歯を磨くというが、対局中にバナナを10本食べたとか、おやつの時間に板チョコを10枚食べたといった“伝説”が残るほどの甘党だ。テレビで前歯がないことを聞かれると、“ひふみん”は、

〈15年ほど前に前歯を入れたのですが、頭の回転が鈍り、連敗続きで棋士人生最大の危機に陥った。あるバイオリニストの体験記に“義歯を入れたら演奏ができなくなったので取ってもらった”と書いてあったので、自分も前歯を取ってもらったら、調子が戻った〉

 こう語っているが、

「ブレイク前、加藤先生に前歯がない理由を聞いたことがあります。その時も同じ話をしていましたが、先生がトイレに立った時、マネージャーの娘さんに改めて聞くと、“あんなことを言っているけど、本当は歯医者さんへ行くのが怖いだけです”と真相を明かしてくれました」(先の記者)

 トホホな“は”なしだが、それも含めて“ひふみん伝説”の1つなのかもしれない。

週刊新潮 2018年1月4日・11日号掲載

ワイド特集「犬も歩けばドッグ・ファイト」

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