「闘将」星野仙一氏「鉄拳伝説」の思い出 過去には審判暴行で「刑事告発」も

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貴重な“被害者”の証言

 その山本昌(52)だが、自らの体験を貴重な証言として語っている。「山本昌はなぜ50歳まで現役を続けられたか/左腕に隠されたプロ野球生活の壮絶な苦闘」(16年1月22日/東洋経済オンライン/TBSテレビ『ジョブチューン』取材班)を見てみよう。

《巨人戦に先発で登板した山本は、3対3の同点からホームランを打たれてしまった。内心「これはやばいな」と思ってベンチに戻ったら、そのまま星野監督にベンチ裏へと連れて行かれ、鉄拳制裁を浴びたという。

 山本自身は最初の5発目までしか数えられておらず……陰で見ていた選手に後から聞いた話では合計18発、殴られていたそう。これには、さすがに「ムカッ」ときて星野監督をグッとにらめつけた。すると星野監督は「そういう顔して投げろ!」と喝を入れた。

 山本は語る。「確かに、怒ると手がつけられないほど、怖い人でした。けど、怒っても怒っても、次にまた使ってくれる。自分にチャンスを与え続けてくれる素晴らしい監督で、今でも星野さんにとても感謝している」》

 本郷陽一氏の記事で名が挙がった中村武志氏(50)はテレビの中継中に殴られた。「ムチ使いの名手、星野仙一中日監督(リポート・プロ野球)」(88年9月6日号/AERA)は以下のように書いた。

《昨年5月の広島戦(ナゴヤ球場)。投手にスリーバントを許したとして、ベンチに戻った中村武志捕手の左ほおに鉄けんが飛んだ。

 「オマエ、なんというリードをしているんだっ」

 このシーンは、たまたまテレビが撮影したため有名になったが、表面化していない「パンチ」は今季もかなりあるといわれている》

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