「闘将」星野仙一氏「鉄拳伝説」の思い出 過去には審判暴行で「刑事告発」も

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「プラチナ拳」が炸裂した修羅場

「【阪神】星野監督 球審で“ニラミ” 背後から蹴りも!?」(同年2月20日/前同)の記事からも、そうした姿勢が伺える。舞台は春季キャンプ。そのシート打撃で、星野氏はアンパイアを務めると宣言した。その怪気炎は、改行などを加えた上でお届けする。

《「オレがチーフ(アンパイア)をやる。文句は言わせへん。選手には相当プレッシャーかかるやろうし、おもろいで。昔、島岡さん(元明大監督、故人)がやったんや。みんなビビってストライクが入らんかった」。

 主審を務めることで、投手の球威、球筋を至近距離でチェック。さらには自らがにらみを利かせてマウンド根性を養わせるのが狙いだ(略)。

「キャッチャーも近くにおるし、“どこに放らしとんのや”と蹴飛ばすこともできるしな。鉄拳なんて安い言葉を使うなよ。プラチナ拳や」。星野監督がいよいよ熱血指導に着手する》

 このプラチナ拳、具体的にはどのように“炸裂”していたのだろうか。不定期刊行WEBスポーツ雑誌「論スポ」(スポーツタイムズ通信社)の本郷陽一編集長は、ニュースサイト「THE PAGE」に執筆した「追悼。闘将・星野仙一氏の鉄拳と人情と再建手腕。『この男をつまみ出せ!』」(更新日:2018年1月7日)で、以下のように回顧している。

《星野さんを取材し始めたのは中日での第一次監督時代だった。血気盛んな頃だ。
 
 容赦なく殴った。コンプライアンスやパワハラがSNS上で大問題にされる現在ならどうなっていたのだろう。ベンチ裏、ロッカーで“生臭い異音”を聞いた人は数知れず。

“レジェンド”山本昌も殴られた。捕手の中村武志(現韓国起亜タイガースコーチ)は負けた試合では、ほとんど毎日のように鉄拳を食らわされていた。今は、追手門大学の監督をしている小島弘務が血だらけになった口元をタオルで押さえて移動バスに乗り込んだ姿は鮮烈に覚えている》

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