かつての長寿県「沖縄」が“短命化”の原因は「モアイ」――模合って何!?

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月に1度の呑み会「モアイ=模合」

「毎晩、晩酌を欠かさないというタイプではなく、全国と比較しても呑み会の回数が多く、その時に大量にアルコールを摂取する傾向があると考えています。例えば沖縄では、地縁・血縁に根ざした“模合(もあい)”というグループがあり、かつては地域の金融システムとして機能していました。ところが今は、呑み会のグループに変容していることも少なくないんです。具体的には、毎月に1度、酒宴が開かれます。社交的な人は模合を掛け持ちしているので、更に飲酒機会は増えます。そして沖縄県に限らず、お酒の場で出てくる食べ物は、高カロリー、高脂肪のものが少なくありません。シメに炭水化物を大量に摂取する人もいます。更に車社会ですから終電を気にせず呑みますし、これが運動不足の原因にもなっています。こうしたことが折り重なって、沖縄県の平均余命を引き下がっていると考えています」(沖縄県保健医療部)

 極論すれば、たとえ週に2回の休肝日はしっかり確保していても、残り5日を大量飲酒しては意味がないということになる。しかも沖縄の名産と言えば泡盛。美味は広く知られているが、アルコール度数は高い。「節酒」は沖縄県民に限らず、本土でも耳の痛い人は多いだろう。だが沖縄の現状を“反面教師”にしたほうがよさそうだ。

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週刊新潮WEB取材班

2017年12月26日掲載

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