ワゴン車に向かって質問を叫ぶレポーターは「バカ」  ビートたけしの大正論

芸能 2017年12月1日掲載

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車に叫ぶ人達

「親方、貴ノ岩の状態はどうなんですか~?」
「協会の聴取をなぜ拒否したんですか~?」

 ワゴン車に向かって、声を張り上げるレポーターの姿をテレビで見ながら、内心こんなツッコミを入れた方も多いのではないか。

「車に叫んでもしょうがないだろう」

 おそらく声をかけている側だって、本当に答が返ってくるとは思っていないだろう。それでも「画をつくる」ために声をかける。そして「問いかけには答えなかった」と言いたいのである。

 ワイドショーやニュースで定番ともなっているこの手の手法を、追われる側はどう見ているのか。ビートたけしは、新著『バカ論』の中でバカなレポーター、コメンテーターを一刀両断している。以下、同書から抜粋、引用してみよう。

「芸能レポーターが、渦中の人物を自宅や仕事先で待ち伏せしていると、そいつを乗せたワゴン車がやって来る。そうすると一斉に車に向かって、『○○さーん、△△さんはお元気ですかー』と叫ぶシーン。
 あれは、『自分はちゃんと現場で仕事しています』というアピール以外の何物でもないから、すぐに止めたほうがいい。
 窓もカーテンも閉まっているのに、聞こえるわけがない。聞こえたとしても、車を停めて、ギーッと窓を開けて、『はい、おかげさまで元気にやっています』なんて答えるはずがないだろう。それに『おかげさまで』ってなんだ。なんでお前らに感謝しなきゃならないのか。
 SMAPのメンバーが乗っている車に向かって『本当に解散するんですか?』と叫んでいたバカもいたな。
『はい、解散します。そして僕と木村以外は、ジャニーズ事務所から出て行きます』なんて中居君が答えるわけないだろう」

質問がバカすぎる

 芸能レポーターの「バカな質問」をさんざん受けてきただけあって、『バカ論』の中でも彼らへの批判はかなり辛辣だ。

「芸能レポーターがよく使う質問に、
『○○さんとはどこまで進んだのですか?』なんていうのもある。
 余計なお世話だ。
 客の来ないスナックのチーママみたいな顔をして何言ってやがる。
 なんでお前らに、いちいち報告しないといけないんだ。漢字ドリルの宿題をやっている子供じゃないんだから、進捗状況をいちいち報告する義務はない。
 その質問をまともに受けて、
『えー、次回のデートで必ずキスまで持っていく所存です』
『ついにセックスすることができました!』
 なんて答えるわけがないだろう」

コメンテイターもろくなもんじゃない

このレポートをスタジオで受けるほうの「コメンテイター」にも矛先は向かう。

「ろくな奴がいない。偉そうなことを言ってる奴に限って、裏でお姉ちゃんに悪いことしていたり、経歴詐称していたり。
 ショーンKには笑ったけどね。嘘ばかりの経歴。しかもあだ名は『ホラッチョ』。それじゃおいらのラジオだよ。昔、『オールナイトニッポン』をやっていた頃に、『ホラッチョ宮崎』という浅草の売れない芸人をさんざんネタにしてた。ショーンKにあだ名をつけた奴は、明らかにおいらの番組のリスナーだね。久ぶりに思い出したよ。
 そんな適当な奴でも務まる『コメンテイター』が、『騒動の責任を取っていただきたい』とか、『国民に説明する義務がある』とか、どの口で言えるのか。
 そもそも『責任を取る』って何だ。
『どう責任取ればいいんですか?』と聞き返したい。
『責任というのはどういう意味ですか? 家に帰って首くくれということですか? 全財産を寄付すればいいのですか?』って、むしろその説明責任を果たしてほしい。
 責任取って『パンツ脱げ』と言われたらいつでも脱ぐけど、曖昧に『責任』と言われても、よくわからない」

 若い頃から山ほど取材を受け、またワイドショーのネタになり続けてきただけあって、この種の「バカ論」になると話が止まらないようなのである。

デイリー新潮編集部