「仲見世商店街」の次は「三社祭」が標的! 銭争拡大「浅草寺」

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“不動産屋になった”

 例えば、

「寺は(三社)祭も潰そうとしているんじゃないの」

 と語気荒く訴えるのは、浅草寺の境内に社を構える「浅草神社」の氏子の1人。この神社の例大祭がかの「三社祭」で毎年200万人の客を集める。一方で、くりからもんもんの方々も話題になる“野趣”溢れる祭りだ。

 しかし、

「3年前、お寺は神社の出入り口のところに、わざわざ芝生を張ったんです。三社の神輿はそこを通らないと外に出られませんから、お祭り当日は、どうしても芝生を踏んじゃうでしょ。すると、さっそく、その修復代が神社の奉賛会に請求されたんです。あれ、嫌がらせとしか思えない」(同)

 また、ある年の祭り当日、寺が本堂に大きな白い幕を張ったことがあったとか。

「三社祭は汚いから、観音様に見せられない、と言うんです。荒くれ者が中にいるのは確かですが、それにしてもやり方があるでしょ。いちばん腹が立ったのは、神社の横にあるお稲荷さんの件。寺の敷地に入っている、鈴の音がうるさいなどと、場所を移すように迫ってきたのです」(同)

 と、まさに憤懣やるかたない様子で語るのである。

「浅草寺は、カネにすごくうるさいんですよ」

 と後を受けるのは、地元町内会の幹部。

「この周りは、寺が大家のお店がたくさんあります。ある店は、ここ10年、家賃をどんどん上げられて、4倍にもなったとか。また、更新の時、値上げをほのめかされ、100万でも200万でも入りたいと言う人はいるんだ、と、立ち退けとばかりに言われた人もいました。一方で、寺の東側・馬道通り沿いの土地や建物をここ10年程、買いまくって駐車場にしています。何でも、通りから寺の本堂が見えるようにしたい、とか」

 値上げと地上げ。街には「いつからお寺は不動産屋になったのか」と揶揄する声が木霊(こだま)しているのである。

 当の浅草寺、守山執事長に聞くと、

「祭りには協力していますよ。芝生は緑が必要だと思ったからですし、幕はヤクザに観音様を見られたくなかったから。それに、浅草は浅草で、京都ではありません。一体、誰がそんなことを言っているのか」

 といたくご立腹であるけれど、他方でこんな証言も。

「以前、守山さんの仕事部屋に入ったことがありますが、壁に浅草の地図が貼ってあり、そこに江戸時代の浅草寺の所有地と、随分減った今のそれとが色分けされていた。彼は“昔の姿に戻したい”と溜息をついていましたけど、一体、何を目指しているのか」(前出・区関係者)

「戦争寺」に改名だ。

週刊新潮 2017年11月30日号掲載

ワイド特集「阿弥陀の光も金次第」

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