「日馬富士」暴行、事件を読み解くカギは貴ノ岩の“ガチンコ相撲”

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「貴乃花」停戦条件は「モンゴル互助会」殲滅(上)

 大相撲九州場所が行われた福岡国際センター。場所中、貴乃花親方(45)がつめていたのは、巡業部室である。貴乃花部屋に所属する平幕の貴ノ岩(27)が日馬富士(33)から暴行された事件が発覚して大騒ぎになったのは九州場所3日目の11月14日。それ以降、巡業部室の前には20名弱の記者やカメラマンが待ち構え、貴乃花親方が部屋から出る度にゾロゾロと後をついて行く。ただし、記者が声をかけるのは、親方が役員室に呼び出された時などだけ。通常は無言の親方を記者が無言のまま追いかけ、辺りには重苦しい空気が漂う。

 千秋楽の前日、貴乃花親方が帰路につくため巡業部室から出てきたのは午後5時38分だった。待ち構えていたカメラマンが次々とシャッターを切る中、真っ直ぐに背を伸ばし、正面をじっと見据えて大股で廊下を歩く。ついてくる記者らは相変わらずおし黙ったままだ。カメラのシャッター音のみが辺りに響く中、質問を投げかけた。

――今回の暴行事件の根底に八百長問題があることは、当然、親方も把握されていますよね?

「……(無言)」

――八百長の問題にお怒りだと聞いているが?

「……(無言)」

――ガチンコで答えてください。

「……(無言)」

 その表情にも素振りにも一切の変化を見せず、関係者用出入り口前に待機させていたワンボックスカーに乗り込んでしまったのだが、この日のやり取りは翌日のスポーツ紙に次のように取り上げられた。

〈貴乃花親方は午後5時38分に帰途につく際、週刊誌記者から「ガチンコで答えてください」と直撃取材を受けた〉(スポーツ報知)

 この一文の前段でも後段でも、いかなる質問が親方に投げかけられたのかという点については触れられていない。それは、1つの事実を示してはいまいか。

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