508億円「ダ・ヴィンチ」落札者は誰? 取り沙汰される4人の資産家

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 オークションを前にロンドンやサンフランシスコ、香港でお披露目して前景気を煽った。勝負は18分間、総額およそ4億5000万ドル、日本円にして約508億円で決まった。11月15日、ニューヨークのクリスティーズで競売にかけられたレオナルド・ダ・ヴィンチ幻の名作、「サルバトール・ムンディ(救世主)」落札の報に世界中が驚嘆した。

 ただ、落札者が誰なのか、なぜ競売にかけられたのか、全く以て謎だらけ。早速、アメリカでは落札者探しが始まった。ひょっとして日本人では……? 孫さん?

「クリスティーズは、落札者のプライバシーについて一切公表しません。しかし、現地では様々な噂が飛んでいます。これだけの金額を払える資産家は世界中でもせいぜい150人程度。中でも美術品に興味を持つ4人が専ら取り沙汰されています。ヘッジファンドマネージャーで億万長者のケン・グリフィン、チェーン店ウォルマートの後継者アリス・ウォルトン、中国の実業家・劉益謙、世界一の富豪、アマゾン社CEOのジェフ・ベゾスです。特にベゾスは最近、大量の自社株を売却していたとか……」

 そう語るのは、北米在住ライターの關陽子さん。

 現存するダ・ヴィンチ作品は16点。その内、唯一個人所有のこの作品、これまでの消息もいわくが多い。

 仏王ルイ12世や英国チャールズ1世の手を経た後、18世紀からは行方知れず。それが1958年、英国のオークションに出品。しかしこの時は複製と見なされ、たった45ポンド(6000円ほど)で落札される。2005年には米の美術商組合が約1万ドルで入手、13年、ロシアのある実業家が約1億2000万ドルで入手し、最終的な所有者となっていた。

「入念に修復を施され、専門家の鑑定を受け、正式にダ・ヴィンチ作として今回の出品となりました」(同)

 暇人の計算によれば、観覧料2000円で一日1万人の入場者があれば、7年で落札価格相当になるそうだ。うーむ、ダ・ヴィンチの錬金術?

週刊新潮 2017年11月30日掲載

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