30代「東芝」社員の転職日記 残す1社の結果は、そして迎える“さらば東芝”

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「サザエさん」降板

〈9月11日・月曜日 別の部門で働く、大学時代の先輩社員から“極秘事項がある”とメールが来て、居酒屋に誘われる。曰く、“広告宣伝費が削減されて、いよいよ「サザエさん」のスポンサーを降板することが固まった。まだ、テレビ局や広告代理店には連絡していないが、今年度限りだろう”。

 この話が事実なら、大ショックだ。子供の頃から東芝といえば「サザエさん」、「サザエさん」といえば東芝だったからな。

 運動部も明暗が分かれるのだという。伝統の野球部とワールドカップを控えるラグビー部は存続する方向だが、スポーツ紙によるとバスケットボール部は身売りだとか。また、10年前に鳴り物入りで始めた米国タイムズスクエアの電子広告も止めるのだと聞く。米国出張へ行った時に電子広告を見て感動したのを思い出す。自分の知る“東芝の象徴”が次々に姿を消そうとしている。〉

――昨年度、東芝の売上げは約4兆8708億円だったのに対して、広告宣伝費はおよそ9億円もある。冷蔵庫などの白物家電事業のみならず、“第三の柱”と位置付けていた医療機器などを手掛けていたライフケア事業も売却している。社内からも“CMで流される商品が激減した今、広告宣伝費の予算を見直して他に回すべきではないか”との声が上がっているのだという。

 東芝の広報・IR部に「サザエさん」などの“スポンサー”降板について確認すると、「個別の契約内容については、守秘義務があり、回答を控えさせていただきます」との返答があった。が、その後、新聞等でも降板が報じられる。

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