ハリウッドだけじゃない! 日本芸能界「セクハラ」事情 深作監督が松坂慶子とホテル連泊
日本にも芸能界「セクハラ白書」(1)
いま、この地球上に76億を超える人間が存在しているのは、言ってみれば性欲の賜物。そして、性欲のあるところにセクハラは付きものである。
太平洋の彼方、米西海岸のハリウッドでは、ハーヴェイ・ワインスタイン(65)なる大物映画プロデューサーが、積年のセクハラの責任を問われ、追放されてしまった。アンジェリーナ・ジョリーをはじめ、30人を超える女優に枕営業を強いてきたんだそうだが、この手の「セクハラ大魔王」とは、最近新たに出現した人種ではない。むしろ古典的な存在といえるだろう。
プッチーニが作曲したオペラ「トスカ」では、ヒロインのトスカを欲する警視総監スカルピアが、彼女の恋人を拷問にかけ、「助けたければ俺の女になれ」と迫る。結局、応じたふりをしたトスカに刺し殺されてしまうのだが、こんな例は古今のドラマにごまんと見つかる。「不倫は文化」になぞらえるなら「セクハラも文化」で、むろん、わが国も例外ではない。
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「二号を女優にしたんだ」
もっとも、「セクシャル・ハラスメント」が新語・流行語大賞の新語部門で金賞を受賞したのは、1989年。この言葉、意外と歴史がない。だが、どうやら「性的嫌がらせ」という概念が存在しなかった時代こそ、性欲はいっそう奔放に炸裂していたようだ。
「大手映画会社のプロデューサーが女優をホテルに誘ったとか、口を利いてやって愛人にしたとか、そんな話はゴロゴロあったと思いますよ。これからの女優を妾にしたとかね。いわゆる“目をかける”です」
そう語るのは映画監督の井筒和幸氏(64)。63年に日活ニューフェイスに選ばれ、翌年デビューした西尾三枝子(70)も、
「ハリウッドの話には、驚かないですね。私の時代にもよくあったことです」
と言って、続ける。
「映画に出るためにプロデューサーさんと、という噂はよく聞いたし、私も主役になれたのが早かったので、監督やプロデューサーに取り入っているんじゃないの、と同期の子に疑われました。昔は監督やプロデューサーの力が絶対でしたから。お尻を触られるなんてしょっちゅう。監督さんに胸をモギュなんてことも。日活の女優さんで、社長に何千万もするクルマを買ってもらっている人もいました」
映画会社の社長で、女優との関係で名高いのは、新東宝の社長時代に「女優を二号にしたんじゃない。二号を女優にしたんだ」と豪語した大藏貢氏(1899〜1978)。その女優は高倉みゆき(83)だった。長男で大蔵映画社長の滿彦氏(85)が述懐するには、
「映画業界にいると男女関係もいろいろありますから、私たち家族もそんなに気にしていませんでした。他社のお偉いさんから“君のお父さんもすごいね。あんなこと、俺も言ってみたいもんだ”なんて言われました。でも、高倉さんを家に連れてきたこともないし、おふくろも親父のことは、男の甲斐性くらいに思ってたんじゃないでしょうかね」
元東映プロデューサーの日下部五朗氏(83)も、大藏氏について、
「自社の女優に片っ端から手を出すと言われていました。ただ、当時の映画会社の社長なんて、会社は自分の巾着くらいに考えていましたからね」
と述べたあと、こんな話を披露する。
「当時、新東宝の“ハンサム・タワーズ”に選ばれた菅原文太が、大藏社長の奥さんに何回か誘われたと言っていました。夫の女遊びに頭に来ていたんでしょう」
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