野放しにされていた小児性愛者、出所後の犯罪を告白 「私はやる」「プログラムを受けさせて」

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「有意ではない」

 植木の言う「性犯罪者処遇プログラム」とは、06年度から始まった、主に性犯罪者を対象にした歪んだ性癖の矯正措置である。要は植木は、このプログラムさえ受ければ、自分は立ち直れると言い張るのだ。

 そして9月8日、彼は退去を拒否する際に区役所の職員を「威嚇」したとして、猥褻とは異なる「別件」の公務執行妨害で逮捕された。図らずも、今後、植木が刑務所内でプログラムを受けられる「可能性」は出てきたわけだが、精神科医で、性障害専門医療センター(SOMEC)代表理事の福井裕輝氏は指摘する。

「法務省が行う性犯罪者処遇プログラムでは、対象者にカウンセリングを行うのですが、効果があるかは疑問です。まず、カウンセリングを行うのが現場の法務教官であることが多く、医師が入っていない。専門家とは言い難い、トレーニングを充分に積んでいるとは言えない人たちによって、カウンセリングが行われているのです。またプログラムは、基本的に収監中の受刑者に行われますが、当然ながら刑務所に幼児はおらず、子どもへの性犯罪は実行に移しようがない。むしろ問題は、彼らが社会復帰してからなのです」

 プログラムの効果について、法務省もこう認める。

「プログラム導入の移行期(過渡期)において、性犯罪での受刑中にプログラムを受講した者と、受講しなかった者のそれぞれの性犯罪再犯率は、12・8%と15・4%。3ポイント弱の差はあるものの、これは統計学上、有意とは言えません」(矯正局成人矯正課)

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