SPEED離婚は無理!? 橋本健・元神戸市議vs妻の裁判闘争を専門家がシミュレーション

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時間が解決する可能性

 調停を欠席するなどして、「絶対に離婚しない」と戦う姿勢を見せる夫や妻も、時間が経つにつれ、離婚の話し合いに応じていくという。

「気持ちの離れた相手にしがみついても仕方ない、という精神的な理由だけでなく、有責配偶者からの離婚請求であっても、別居が5年を超えていくにつれ、お子様の年齢にもよりますが家裁が離婚を認める判例が増えていくんです。そうなると俗な言い方ですが、慰謝料や養育費の条件が悪くなります。離婚調停や訴訟には、離婚というカードを切った配偶者から、どれだけ金を取るか、という側面があるのは事実です。ならば5年以内に離婚した方が、有利だということになります」

 更に橋本氏に関しては、政務活動費の架空請求を認めているという事実も存在する。神戸地検による任意の事情聴取には応じたとも報じられた。

「配偶者の犯罪行為を理由とする離婚請求が認められた事例はあります。仮に父親が犯罪被疑者だったとすれば、母親は子供のことを考えますよね。父親が逮捕、起訴されたという報道を、子供に見せるぐらいなら、と離婚を決断するわけです。調停委員が、はっきりと口にすることもありますよ。『言葉は悪いけど、旦那さんは犯罪者じゃないか。そんな人と結婚を続けて何になるんですか』くらいのことは言います」(同)

 それでも駄目なら訴訟へと進んでいくが、この場合は今井議員の出廷もありえる。

「裁判が始まる前の準備段階から、今井さんが全面的に不倫関係を認めたなら、家裁は出廷しなくてもいいと判断するかもしれません。ただ不倫を認めなかったり、説明に矛盾があったりしたら、今井さんが証人として出廷を求められるでしょう」

 ただ、田村弁護士は、橋本氏と妻が離婚調停で決着を見る可能性は、決して低くないと指摘する。

「弁護士として、今回の事案は調停でまとまりやすい要素があると考えます。第1に離婚を求められた夫や妻が相手に愛想を尽かしていて、第2に有責配偶者が慰謝料や養育費の支払いが可能であり、第3として子煩悩だと、調停が成立しやすいんです。有責配偶者が子煩悩だと慰謝料を嫌がっても、養育費の増額に応じたりするので、まとまりやすいんです」

 ネット上では「離婚慰謝料の相場は100万~300万円、養育費は月4万~6万円」などという情報も飛び交っているが、橋本氏の場合は、こんな金額では収まらないようだ。

「当たり前ですが、橋本さんの収入が1000万円単位で、複数のお子さんがいらっしゃって、奥さまが働いていないと仮定すれば、養育費だけで月数十万円という額になってきます。もちろん、慰謝料もそれなりに高額化するでしょう」(同)

 大きな注目を浴びた「ハシケン通信」だが、第3号には、次のような文言がある。

《知らなくても困らないことはあるかもしれないが、知っていて損をすることはない》

 本当にその通りだ。夫婦円満で浮気などしなければ、離婚の現実など知らなくても困らない。しかしながら、不倫の代償がいかに高く付くかは、知っていても損をすることはなかっただろう。

週刊新潮WEB取材班

2017年9月29日掲載

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