茂木大臣だけではなかった―― 政治家が有権者に「手帖」を配る黒歴史

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2014年にも手帳配布が問題に

 最後は現職の藤丸敏・衆院議員。岸田派名誉会長・古賀誠氏の元公設第一秘書という経歴を持ち、選挙区は福岡7区(大牟田市、柳川市など)だ。

 九州のブロック紙・西日本新聞が14年11月1日に「有権者に写真入り手帳 藤丸衆院議員側が配布 福岡7区」の記事を掲載。冒頭が《選挙区内の有権者に、議員の名前や写真が入った「衆議院手帳」を配っていたことが31日、分かった》とあり、スクープ記事であることを伝えている。

 記事によると、手帳は表紙に「古賀誠・藤丸敏後援会」と記された14年版。発行元は「古賀誠・藤丸敏事務所」となっているそうで、これはカスタマイズ版だという。藤丸議員は取材に対し、手帳を3500冊作成し、単価は400円であることを明かした上で、《費用を徴収した会合の出席者に配った》と説明。だが西日本新聞側は大牟田市の有権者が《手帳を20~30冊ほど置いていった》とする証言を記事に掲載し、藤丸議員の弁明に疑問を投げかけている。

 また記事中で、総務省選挙課は《違反かどうかの判断は司法に委ねられる。ただ、物品に財産上の価値があり、対価なく配布すれば、公選法に抵触する》とコメント。ここは、ぜひ茂木大臣にも熟読してほしいところだ。

 それにしても改めて驚かされるのが、これだけ手帖が問題になってきたにもかかわらず、配布を続けてきた茂木大臣と事務所スタッフにおける「危機管理」の意識だ。単なる無知か確信犯か、いずれにせよ政治家失格ではないか。

週刊新潮WEB取材班

2017年9月12日掲載

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