陛下ご学友・橋本明氏、“退位の儀式”を見ず急逝

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 享年、84――。

 今上天皇のご学友で、元共同通信のジャーナリスト、橋本明氏が8月13日、多臓器不全で亡くなった。

「まさか、こんなに早く亡くなるなんて思ってもいませんでした……」

 と、妻の敬子さん。

「2カ月ほど前に、尿が出なくなりまして、足のむくみがひどくなったんです。かかりつけの大学病院に行ったら、先生から、『人工透析しかありません』と。しばらく入院して透析を行い、慣れてきたら、地元の病院に通院する予定でした」

 ところが、

「透析のたびに食欲がなくなり、血圧も降下していき、体力が落ち、退院どころではなくなって。高齢者の人工透析にはリスクがあることは知っていましたが、ここまでとは思いませんでした。2020年に金婚式を迎えるので、『それまでは頑張ろう』と話していたのに」

 橋本氏と同じく天皇陛下のご学友のひとりである、明石元紹氏が語る。

「彼はジャーナリストとしての仕事にも人一倍真面目で、熱心。時に大胆なこともやってのけた。陛下と美智子妃とのご成婚の直前、陛下から彼が聞いたオフレコの話を記事にし、陛下がお怒りに。謝りに訪れた彼の胸を突き、『なにしに来た』と、部屋から追い出したのです。陛下が感情をあそこまで表に出されたのは、見たことがありません」

 フリーとなってからも、皇室の在り方について持論を発表し続けた橋本氏。昨年の“生前退位の意向のおことば”には、衝撃を受けた。

「テレビを見ながら、『陛下も、まだやることがあったはず。続けられてもよかったのに』と、残念そうに語っていました」(敬子さん)

 退位の儀式、そしてその後の皇室の行末を、見届けることは叶わなかった。

週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

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