「広陵の中村」「天理の輪島」に目をみはった球界角界のスカウト

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

史上最高の

 スポーツジャーナリストの安倍昌彦氏も同様に、

「中村は無理やりボールを持ち上げるようなアッパースイングだったのが、自然にバットを振れて叩けるようになった。彼は高校野球史上最高のキャッチャーといえますね。打てて、走れて、肩もよく、トーナメント戦で重要な勝負強さも兼ね備えている。広陵の先輩である巨人の小林誠司とは、比べものにならないほど中村のほうが優秀です」

 その優秀さを、もう少し掘り下げてもらおう。

「2塁への送球タイムが平均1・8秒と、すでにプロで戦えるレベルですが、それ以上に精度が素晴らしい。さらに驚いたのが野球の上手さ。ピッチャーにサインを出すとき、守備陣にも目を向けて野手にもサインを出している。野手7人を含めてバッテリーを組んでいるイメージです」

 こうなると、楽しみなのはドラフト会議だが、

「各球団、清宮と中村で割れると思います。野球力では中村がリードです」

 と安倍氏。手束氏も、

「全球団、中村に興味を持っていると思いますが、嶋基宏の後継者を育てたい楽天や、正捕手を決めきれない阪神は、まず欲しがるでしょう。地元広島も狙いに行く可能性は大いにある。金額はもちろん満額の契約金1億円で出来高払い5000万円の年俸1500万円クラスでしょう。清宮と同額の提示になると思う」

 母子家庭で中村を育て上げた母親の将来も安泰か。

週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

ワイド特集「夢追い人が夏を追う」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。